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7月16日は駅弁記念日 『旅マン』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/07/16


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『旅マン』
ほりのぶゆき 小学館 \700+税


本日、7月16日は“駅弁記念日”だ。
1885(明治18)年の今日に開業した日本鉄道・宇都宮駅において、市内で旅館を経営していた白木屋嘉平が日本で初めて駅弁を発売したことにちなんで、 日本鉄道構内営業中央会が制定したものだ。
日本初の駅弁は、握り飯2個とたくあんを竹の皮に包んだものだったのだとか。

何がつまっているのだろうと、駅弁の蓋を開ける瞬間のドキドキは、マンガにも通じるところがある。
本日紹介する『旅マン』には、日帰り旅のあれやこれやがつまっている。

「駅弁の日」に紹介するから「旅」ものマンガかとお思いだろうが、じつは理由がもうひとつ。
それは表紙=パッケージを見れば、一目瞭然。装丁が駅弁風になっていて、カバーを取るとそこには駅弁の中身の写真も! この中身がちっとも駅弁らしくないのに、それでもなんだかおいしそうという絶妙のバランス。眺めていると次第に「こんな駅弁もありなのでは!?」という気持ちになってくる。
さらに、本をひっくり返すとその裏の写真は……。

本作は、なぜか謎の組織によって“旅マン”(記憶を消され、組織に勝手に誓わされたオキテを守りながら旅をする)に改造されてしまった男が週1回、在来線の日帰り旅をしなければいけなくなり、各地に出向くストーリー。
もちろん旅の内容は、著者が実際に取材かたがた出かけた日帰り旅のルポに基づいたもの! 有名な観光地であっても、あえて名所は避け、その街らしからぬ場所に目を向けているのが一興。久住昌之・谷口ジローの『孤独のグルメ』にも通じる風情だ。

あなたもカバーをめくり、本作にぎゅっと詰まった旅を味わってほしい



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌『ぴあMovie Special 2015 Spring』が3月14に発売に。映画『暗殺教室』パンフも手掛けています。

単行本情報

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