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10月28日は日本に初めてパンダがやって来た日 『やさぐれぱんだ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2014/10/28


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『小学館文庫 やさぐれぱんだ』第1巻
山賊 小学館 \514+税


1972年10月28日は、日本に初めてパンダがやって来た日。
中国との国交回復を記念し、日本に贈られた2頭のジャイアントパンダ「カンカン(雄)」「ランラン(雌)」が到着したのである。その愛くるしい姿をひと目見ようと上野動物園は連日長蛇の列、社会現象といえるほどのパンダブームがわき起こった。

今もパンダはあいかわらずの人気を誇っているが、考えてみると謎な動物である。
ルックスはあらかじめデザインされたかのようなかわいらしさだが、そのじつはクマ。クマといえばどう猛なイメージだが、パンダときたら日がな一日ごろごろしたり、のんびり時間をかけて笹を食べていたり。愛らしいようでどこかオッサンじみた雰囲気も。

本作に描かれるパンダは、「パンダがしゃべれたら、じつはこんな感じじゃない?」と思わされる、巧みな想像力の産物だ。
ぬいぐるみのようにペタンと座って動かず、見た目はかわいいけれど、タイトルが示すように内面はちょっとやさぐれキャラ。一人称は“オレ”で、投げやりな物言いもなぜか絶妙にしっくりくる!
基本は、青年(=作者)を相手にボケたりつっこんだりするだけの4コママンガ。洗練された描線で作り出す独特な空間で、脱力系のシュールなコントが展開され、苦笑、失笑……なんともクセになる味わいだ。

本作を読んだあとは、パンダを見る目が少し変わってしまうかも!?



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」

単行本情報

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