日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『A.【アンサー】』

『A.【アンサー】』第2巻
星川ハチ 集英社 ￥400+税
（2016年2月25日発売）

1巻を読んで、続きが読みたくなってしかたがなかった本作。待ち望んでいた2巻で完結と、少しさびしい気持ちもするけれど、いい終わりを迎えたのではないか。

階段に落ちて、記憶喪失になった女子高生・映（みつ）。退院し、学校に戻ると、ちょっとヘタレだけれど優しくてかっこいい男の子・英（ひで）くんが、自分の彼氏だと知る。
しかし、映の幼なじみのあっちゃんは、英くんを警戒している。というのも、あっちゃんいわく、英くんは映に「嘘をついている」というのだ。映は、記憶を失う前の自分がテスト用紙の切れ端に書いた「やっぱりAが好き」というメッセージを手がかりに、過去、そして現在の自分の気持ちに向き合おうと決意する。

“A”に関係ありそうな人物は、ほかにもいる。映が階段に落ちた現場にいたという、化学の赤池先生だ。実際に赤池先生には、いくつか怪しい行動が見られる。
赤池先生が映を階段から突き落としたのではないかと疑う英くんは、映に「2人きりで会わないでほしい」と伝えるが、少しでも自分を知る手がかりを得たい映は、赤池先生に会いにいく。

そして、化学室に映、英くん、あっちゃん、赤池先生の4人がそろった時、すべての謎が明らかになる。
思わず「おお～！」と声をあげてしまった。“A”とはだれなのか、そして現在の映の想いはどこに向かうのか、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
この先をもう少し見てみたいので、番外編とかスピンオフとか出ないかなあと密かに期待しつつ、「マーガレット」期待の新星である著者の次回作を楽しみに待ちたい。

＜文・穂高茉莉＞
楽器店店員。『このマンガがすごい！2016』、「このマンガがすごい！WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。