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8月16日は日本海軍の巡洋戦艦「金剛」が竣工した日 『金剛番長』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/08/16


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月16日は巡洋戦艦・金剛が竣工した日。本日読むべきマンガは……。


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『金剛番長』第1巻
鈴木央 小学館 ¥390+税


1913(大正2)年8月16日、日本海軍初の超弩級戦艦「金剛」が竣工し、建造地のイギリスから喜望峰(南アフリカ)経由で回航を開始した。

当初は装甲巡洋艦のはずが建造中に巡洋戦艦に艦種変更された「金剛」は、外国に発注された最後の主力艦であるとともに、太平洋戦争中も高速戦艦(注:のちにもう一回改修)として活躍した唯一の外国製戦艦でもある。
ちなみに、通常、戦艦には日本の旧国名(伊勢、長門など)が命名されることが多いが、金剛は竣工当初「巡洋戦艦」だったため、奈良県と大阪府の境にある金剛山にちなんで命名されたのだという。

さて、そんな金剛にちなんだマンガといえば……最近のノリだったらヘンテコな日本語を操るあの娘なのかもしれないが、あえてセレクトしてみたいのが『金剛番長』だろう。

作者の鈴木央は、『ブリザードアクセル』『ライジングインパクト』といったスポーツマンガで名をはせた漫画家。
いまや『七つの大罪』の作者といったほうが、多くの方がピンとくるだろう。

そんな彼が、当初はファンタジーマンガとして企画を進めていくなかで自然発生的に生まれたのが本作だ。
東京都千代田区私立雷鳴高等学校にやって来た転入生・金剛晄(こんごう・あきら)が番長同士を戦わせて絶対的支配者を生み出す「23区計画」をぶっ潰すべく、圧倒的な腕力をもって番長に君臨する――ともするとアナクロニズムあふれる“まっとうな不良マンガ”と見られがちな本作は、たしかに「ケンカ相手が仲間になる」「国家権力の歪んだ統制強化に対する反抗」といった、近来めずらしいほどの勧善懲悪要素に満ちみちたマンガである。

しかし、そのシンプルさがかえって痛快なのだ。

鋼のごとき肉体と並はずれた体力の金剛番長が、居合番長、念仏番長、卑怯番長といった番長と拳をかわし、23区計画に参画する道化番長、粘着番長、カブキ番長といった各区代表番長と戦う……。とにかく登場人物のほとんどが番長なのでナニがナニやらではあるが、金剛番長のシンプルな理念は幼い頃そういった不良マンガで育った読者の胸にきっと響くはずだ。

そしてこの作品もまた、全12巻とお手頃なミドルスケール。夏休みのおともにちょうど手頃な読みごたえなのではないだろうか。



<文・富士見大>
編集・ライター。特撮のあれこれやマンガのあれこれに携わるほか、歴史ものもたしなむ。『別冊宝島 「仮面ライダー」伝説の10人ライダー総特集』や、ただいま絶賛発売中の『手裏剣戦隊ニンニンジャー公式完全読本 天下無敵』にも参加。今年の夏は天王洲銀河劇場で上演の舞台『若様組まいる』のパンフレットをやりました。

単行本情報

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