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3月21日はランドセルの日 『リコーダーとランドセル』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/03/21


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

3月21日はランドセルの日。本日読むべきマンガは……。


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『リコーダーとランドセル』第1巻
東屋めめ 竹書房 ¥648+税


これまで数々の強引な記念日を紹介してきたが、今日のこじつけは別格。
3月21日を分解すると「3・2・1」。これを足し算すると「3+2+1=6」。
6は「小学校の修業年数」。
小学生といえば「ランドセル」。
だから3月21日は「ランドセルの日」。

うーむ、すさまじい連想ゲームだ。

このランドセルの日を提唱したのは、皮細工職人の増田利正氏。増田氏は6年間使った想い出深いランドセルを、ミニランドセルに加工して残してあげる、ユニークなサービスを自身の工房「スキップ」で行っていることで有名な人物だ。

ランドセルの語源はオランダ語のランセル(バックパック)から。
幕末に洋式軍隊制度の導入を進めた幕府がオランダから輸入したランセルが、いつの間にかランドセルという言葉に変わっていったようだ。
通学カバンとしては学習院が明治時代に導入したが、全国的に広がりを見せたのは昭和30年代に入ってから。

さて、現代のランドセルは基本、6年間使い続けるものとして頑丈につくられてはいるが、高学年になってくるとガタイもよくなり、背負うのが少々気恥ずかしくなってくるもの。
筆者が東京郊外の小学生だった昭和50年代は、よきタイミングでみな手提げカバンに切りかえていた(ただし6年間使い倒すのが普通という地域もあるようだ)。

本日紹介する『リコーダーとランドセル』は、小学5年生にして身長180センチの宮川あつし(弟)と、高校2年生にして137センチしかない宮川あつみ(姉)という極端な姉弟が織り成すほのぼの4コマ。

さとしは小学生が着るような服が入らないため、隣に住む謎の32歳フリーター男性にお下がりをもらっている。
だからしてパッと見は立派な成人男性なのだが、校則で決まっているため、ランドセルは必ず背負わなければならない。

その結果、表紙のような変わったご趣味をお持ちの殿方が出来上がるのである。
こうなると、クラスメイトの女の子といっしょに帰るだけで不審者扱いだ。

一方、姉のほうも制服を脱げば高校生に見られることは皆無で、どんな場所でも子ども料金でOK。
そんな2人のハプニングに満ちた日々が、テンポよく展開される。

中身は小学生男児で見た目は成人男性、中身は女子高生で見た目は小学生女児。ただでさえギャップ萌えなのに、この2人が姉と弟としてふるまう姿がさらに楽しい。
あつしのランドセルが今どきのシャレオツ系ではなく、オーソドックスな黒皮なのも◎だ。

それにしても昭和では当たり前のスタイルだったけど、平成の小学生もランドセルにリコーダーをさしているものなんですかね?



<文・奈良崎コロスケ>
マンガと映画とギャンブルの3本立てライター。中野ブロードウェイの真横に在住し「まんだらけ」と「明屋書店」と「タコシェ」を書庫がわりにしている。著書に『ミミスマ―隣の会話に耳をすませば』(宝島社)

単行本情報

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