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『少女不十分』 第3巻 西尾維新(作) はっとりみつる(画) 【日刊マンガガイド】

2016/10/25


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『少女不十分』


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『少女不十分』 第3巻
西尾維新(作) はっとりみつる(画) 講談社 ¥565+税
(2016年10月6日発売)


『少女不十分』は、小説家「西尾維新」の同名小説をコミカライズした作品。
作画は『さんかれあ』のはっとりみつるで、本作のコミカライズにあたっては自ら企画書を用意したという。

小説家志望だがデビューできずにいる大学生「僕」が、とある交通事故で異様な行動を見せた少女「U」に誘拐・監禁されるという筋書き。このあらすじだけでは悪い冗談のようだが、この事件によって「僕」は、西尾作品の最重要キーワードである「物語」を語ることができるようになる。

完結編となる今回のコミカライズ第3巻では、西尾維新作品のあらすじが列記される描写があり、本作が(虚実はさておき/作中ではドキュメントだと書かれているが)西尾維新の創作の根底にかかわるものだということがわかる。作画のはっとりみつるが入れこむのもよくわかる。
物語る、ということがどういうことなのか、それを真摯に考えている人にとって、とりわけ優しすぎたり、弱すぎたりする人たちにとって、これほどビビッドに描いた作品も珍しいだろう。

コミカライズにあたって、西尾維新らしいユーモアと不気味な異常さ、作品に満ちるやるせない「弱さ」への絶望と共感、それらを残しながら、はっとりみつるらしい少女の愛らしさが描かれていて、非常に読みやすい作品になっている。
わずか3巻で完結という、文庫版でも小説を読むのが難しいというマンガ派の読者には安心してオススメできるボリューム感もすばらしい。
小説版をすでに読んでいる読者には、作画者がどこを省略し、どこを強調しているのか、ぜひ確認してみてほしい。



<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books

単行本情報

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