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『ウルトラマン超闘士激伝 完全版』 第5巻 瑳川竜(作) 栗原仁(画) 【日刊マンガガイド】

2016/11/19


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ウルトラマン超闘士激伝 完全版』


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『ウルトラマン超闘士激伝 完全版』 第5巻
瑳川竜(作) 栗原仁(画) 秋田書店 ¥700+税
(2016年10月20日発売)


現在は「新章」が「ガシャポンワールド」にてWEB連載中の本作。
それがいかに激アツの展開であるかは、以前の当サイトのレビュー記事も参照していただきたいのだが、かつて「コミックボンボン」で連載されていたオリジナルの『ウルトラマン超闘士激伝』も、「完全版」が刊行中である。いうまでもなく、あらためて読み返してみてもこちらもアツい!

なにせ発想の原点が、『ウルトラマン』+『ドラゴンボール』『聖闘士星矢』である(と、「ガシャポンワールド」にて原作者の瑳川竜こと三条陸が語るインタビューも必読!)からして、アツいのは必然。
しかも、ウルトラ兄弟を扱った学年誌などの記事においては、不当に低い評価を与えられがちだった気もする初代ウルトラマンが、ここでは超闘士へと進化する最上級のファイターとして描かれているのも感涙ものである。

そして、原典の『ウルトラマン』シリーズに登場した、様々なキャラクターや事件も存分に散りばめられた本作は、“濃い”ファンであればあるほどうならされること必至。
運悪く、SDキャラだからという先入観にさえぎられていたり、さすがに「ボンボン」を読むにはじゃっかんの抵抗感があった世代のウルトラファンも、この機会にぜひとも読んでいただきたい。

さて、その第5巻は「ヤプール編」のクライマックスとなる激アツで激ヤバのエピソード。
そもそも、先の戦いで超闘士の力と引き換えに落命したウルトラマンのために、ゼットンが闘士として参上するくだりからしてすでにアツいのだが、すべてを圧倒する絶対強者のヤプールと、戦いのなかで真の力に目覚めていくタロウを中心とした闘士たちとのバトルは刮目!
ウルトラ兄弟だけでなく、ここでは純然たる武人として登場するメフィラス星人やエースキラーの活躍も心憎い。

さらに、テレビ本編では『ウルトラマンA』最終話に登場したジャンボキングが、やけにマザロン人のパーツのくせが強すぎる気がする理由も、ここでは明確にされているあたり「さすが!」と膝を打ちたくなるところ。
そういった、なんとな~く引っかかっていたところが、単なる“ツッコミどころ”としてではなく、正当にストーリーのフックとして活かされているのも『超闘士激伝』のすばらしいポイントなのである。

なお、初めて本作に触れる読者にとっては、死ぬほど気になるところで次巻へと続いているのだが、第6巻も同時発売されているのでご安心を。

まぁ、次の「ゴーデス編」の続きも、やっぱり気になるんですけどね。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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