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【きょうのマンガ】8月18日は高校野球記念日! おすすめするのは『男どアホウ甲子園』!

2014/08/18


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『男どアホウ甲子園』第1巻
佐々木守(作) 水島新司(画) 秋田書店 \581+税


1915(大正4)年8月18日、第1回「全国中等学校優勝野球大会」が開会した。要は、いわゆる"夏の高校野球"のこと。戦後の学制改革により現在の「全国高等学校野球選手権大会」に名称が変わったのは1948(昭和23)年である。

「高校野球記念日」に制定された8月18日は、不思議と名試合に縁が深い。史上初の「決勝戦での引き分け再試合」が行われたのが1969年の8月18日(第51回)。甲子園大会では規定のイニング数(現在は延長15回まで)で決着がつかない場合は、再試合を行うルール。このときは松山商(愛媛県)が三沢(青森県)を制して優勝をもぎとっている。
そして2006年、じつに37年ぶりの「決勝戦での引き分け再試合」が行われたのも8月18日なのである。これはまだ記憶に新しい、あの駒大苫小牧(南北海道)VS早稲田実業(西東京)……すなわちマーくんこと田中将大と、ハンカチ王子こと斎藤佑樹の伝説の投げ合いは、再試合の末に早実が悲願の夏・初優勝を遂げている。

ドラマの宝庫である高校野球は、マンガともじつに相性がいい。いったいわが国で発表された高校野球マンガはいくつあるのだろう? 投手VS打者という構図はじめ野球の試合形式はとてもマンガ向き。トーナメント戦のカタルシス、聖地としての甲子園の存在感もあいまって、無数の名作が生まれ続けている。
数ある高校野球マンガのなかでも、もっとも強烈なインパクトを放つ作品を紹介しよう。

『男どアホウ甲子園』は、野球マンガの第一人者・水島新司が『ドカベン』に先駆けてスタートさせた70年代の作品だ。
主人公の名前は藤村甲子園! その名に恥じない野球の申し子で、投打ともに一級品。「行くでぇ、豆タン!」「はいな、あんさん」と声を掛け合い、女房役の豆タンのミットにズバズバ投げこむ剛速球が持ち味だ。絵に描いたような一本気。気が短いが明るいお調子者で、熱血勝負のさなかにもときどきクスリと笑える場面があるのが痛快である。

さて、本作のひとつのハイライトシーンといえるのが、3年の夏の甲子園大会だ。この決勝戦で、なんと甲子園は延長45回をたったひとりで投げ抜いて母校を優勝に導くのである……って、えっ?
延長45回というのはもちろんフィクションで、現実なら当然引き分け再試合となるわけだが……細かいことはいいじゃない(笑)!!
その「死闘」っぷりは現実を超越して読み手に手に汗握らせる、まぎれもない空前絶後の名勝負なのだ。

「事実は小説より奇なり」という言葉があるけれど、創作では創作ならではの「奇」が可能。リアルだろうとリアルでなかろうと、人を引きずりこむ熱気のある作品を“トンデモ”などと呼びたくはないものだ。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」

単行本情報

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