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【7月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】「ヘイグス粒子」!? 「エナ」!? やっぱり「弐瓶勉ワールド」は無限大!? オトコ編第1位は……

2017/06/20


第7位(68ポイント)

『人魚姫のごめんねごはん』 野田宏(作) 若松卓宏(画)

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『人魚姫のごめんねごはん』
野田宏(作)若松卓宏(画) 小学館

海の底にあるお魚の王国で魚たちとともに暮らす人魚のエラ姫。
ある日仲間の一匹が人間に釣られたのをきっかけに、彼女は仲間たちを弔うため地上に上がる。
陸の上で彼女が目にしたのは料理された仲間の姿だった。だが、そこで彼女は供養のためと言って、つい仲間たちを食べてしまったことで、新しい味覚に出会ってしまう!

ここ最近はグルメマンガの流行にともない、ひと筋縄でいかない作品が数多く登場しているが、なかでも本作は「共食い」という要素をつっこんできた禁断のグルメマンガだ! 
背徳感に打ち震えながらも「いいお味です――!」と毎回仲間を食べていくエラ姫。
その時、彼女の目に浮かぶ涙は、悲しみの涙かそれとも……。 かわいらしい絵柄からは想像もできないブラックさを含んだ作品だ。

オススメボイス!

新しいタイプのグルメもの? 魚料理のおいしさに目覚めてしまった人魚姫。はたして、最後はお友だちがみんな胃袋に収まってしまうのでしょうか?(笑)(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■グルメ・食べ物マンガは数あれど、友人であるお魚さんたちを食べるっていう、設定に連載開始当初から度肝を抜かれました。だけど、ちゃんとおもしろいのがまたいいですね、オススメです(種村理沙/KYTIMKYM管理人)
■一発ネタかと思ったら童話の人魚姫ネタに絡めて話がふくらんでいったのでおもしろい。あとマグロの鮪郎を食べて「(好きな魚と)ひとつになれた」ってのは、けっこうやばい娘だ(マキタマキナ/(成年)漫画愛好家)


第8位(54ポイント)

『重版未定』 川崎昌平

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『重版未定』
川崎昌平 河出書房新社

弱小出版社・漂流社に勤務する編集者を主人公に、“出版界のリアル”が赤裸々に描き出され、SNSなどで話題となった注目作。編集業務はもちろん、営業、書店、取次まで、ありとあらゆる実態が明かされる。売れない本ばかり出し、転職を考えて他の出版社でバイトを始めたりしていた編集者の主人公が、ついに本気を出す!?

第1巻の表紙では「そんなに刷ってどうすんの」「本なんて売れるわけないだろ」とつぶやいていた主人公が、一転、「編集した本が50万部売れたら楽しいかな……」と考え始めている! 
シンプルな絵柄と独特なテンポは、まさに“じわる”おもしろさ。はたして「重版出来!」の声が飛びだすか!?

オススメボイス!

■原稿を落とすところからの展開がじつにドラマチック。『重版出来』とは真逆のアツさがシビれる。「おまけ」の締め切りを逃れる作家を追いかけるブタの編集者群がかわいすぎてつらい(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■業界のブッチャケ話が満載された『重版未定』の続編。これまでは仕事を流していた主人公が、自分が入れこんだ本を著者の逃亡という障害を乗り越えて刊行にこぎつけるところがいい! それまでの主人公の冷めっぷりが半端なかったので、この変貌には驚き。第1巻も「重版出来」とのことでなによりである(廣澤吉泰/ミステリコミック研究家)


第9位(44ポイント)

『ぎゃんぷりん』 押切蓮介

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『ぎゃんぷりん』
押切蓮介 双葉社

ギャグあり、ホラーあり、青春あり、と幅広いジャンルで活躍する漫画家・押切蓮介。そんな彼が新たに手掛けたのは20代女性4人による自堕落ギャンブルライフ! 20代女子というきらびやかなイメージとは裏腹に、徹マン明けに朝から開店前のパチンコ屋に並ぶその姿はとっても退廃的!

玉が出なくてはコーヒーガールに八つ当たりで噛みつき、ほかの仲間が玉を出したら仲間にキレて、パチンコ引退宣言をしたのに何を見てもパチンコを思い出して、結局戻ってくる……。
ここまでげんなりした気持ちになれる日常系は早々お目にかかれまい。そしてそんな彼女たちのやさぐれた生活と著者・押切蓮介の得意とする登場人物のゲス顔が絶妙にマッチしていて最高!

オススメボイス!

■押切蓮介によるギャンブルもの。はたしてこの4人に明るい未来はおとずれるのか? けっこうかわいいのになんとも残念すぎます(笑)(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■ギャンブル中毒女子4人を描いた、どうしようもない日々のどうしようもなさ。これ、オッサンだったら救いがなさすぎるからギャルにしてるんだろうねえ(soorce/オヤジ漫画系ブロガー)
■市井のダメギャンブラーの心情を知りつくした男、押切蓮介が送る大快作。パチンコ歴30年ですが、現代パチンカスの生態は、おおむねこのとおりです(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)


第9位(44ポイント)

『パラパラデイズ』 宇仁田ゆみ

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『パラパラデイズ』
宇仁田ゆみ 小学館

キャリアは10年ちょいになるアニメーター・八嶋。アニメの作画監督として、同じ机、同じスタイルで黙々と絵を描き続ける日々。そんな八嶋がある日、アシスタントたちの作画を確認していると、甘いイチゴとチョコの香りのする、気になる作画があがってきて……!?

大ヒット作『うさぎドロップ』や女性向けマンガで注目を集めた著者・宇仁田ゆみの最新作。じつはデビュー当初は青年誌での男性向け作品が多く、今回「月刊!スピリッツ」に“帰還連載”となった。そんな著者の注目作は、「アニメーター」とそのお仕事がテーマ。「アニメーター」と聞くと、ふとアニメ『SHIROBAKO』なんか思い出しちゃったりするけれど、情熱だけじゃない、日常的な味わいを魅せてくれる注目作だ!

オススメボイス!

■最近、アニメ業界と聞くと、低賃金、過酷労働、ブラック企業というネガティブなイメージが先行しがちだが、そういう部分はうまくスルーしつつも、宇仁田らしい、熱くならないふんわりとした人間描写で描く、職業漫画。登場人物が今後どう絡んでいくかが期待です!(稀見理都/エロマンガ研究家)
■『うさぎドロップ』でも有名な宇仁田ゆみ先生が、アニメーターを題材にした作品を手がけられています。最近のニュースで、がんばっているのに対価がなかなかついてこないお仕事のひとつだと思います。そのあたりも切りこんでもらえたらいいな(なみかわみさき/物書き)
■アニメ制作というブラックといわれがちな現場をホワイトっぽく描いているように一瞬見えるのだが、進行の厳しさや仕事の辛さや給金の安さはきちんとふれる。それでもって主人公はすでに作画監督で、作品ごとにプロジェクトを組んで集まっているという形態にすることでブラック問題に話が向かうことを回避している。そのうえで、著者の普段のほわっとしたテイストを放りこんでおり、読みやすい。マンガとして考えると、プロジェクトが終わって散開していく人々を描く作品なんてじつはそうそうないので、そのへんにフォーカスしてくれるとさらにユニークに見えるかもしれない。とはいえまぁ知った人を集めてプロジェクトは組むものなので、そう顔ぶれが劇的に変わることはないんだろうけど(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)


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