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【7月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】「ヘイグス粒子」!? 「エナ」!? やっぱり「弐瓶勉ワールド」は無限大!? オトコ編第1位は……

2017/06/20


業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。

アニメ化でも話題になった『BLAME!』『シドニアの騎士』など、壮大なSF世界観で読者を魅了する弐瓶勉の最新作が今回、第1位に!! 今までの作品とはまたひと味違うキーワードや展開を見せながらも、「弐瓶語」ともいうべき単語が(やっぱり)垣間見えています! 先生、“弐瓶ワールド”はどこまで広がっちゃうんですか!?(期待)

もちろん注目の作品はこれだけじゃありません! 人気BL作家が描く、狂気の“折りたたみ”殺人事件不倫を許容する妻と月イチで不倫する夫の“いい夫婦?”の物語、そして例の悪いツバメが大活躍しちゃう(悪い意味で)問題作などなど、バラエティ豊かな今回のランキング!

旬なマンガが多くランクインした今月のランキングを、アンケート回答者のオススメポイントとあわせてチェック!!

(2016年5月1日~5月31日発売作品を集計)


⇒⇒⇒ランキング「オンナ編」も要チェック!!


第1位(196ポイント)

『人形の国』 弐瓶勉

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『人形の国』
弐瓶勉 講談社

舞台となるのは遺跡層に覆われた巨大人工天体・アポシムズ。五十世紀前、地底との戦争に敗れた人々はその極寒の地表で生き延びていた。本作の主人公、エスローもそんな人々のひとり。ある日リペドア帝国の兵士から追われる少女・タイターニアを助けた彼は、少女から「コード」と「七つの弾丸」を託され、壮大な戦いに巻きこまれていく……。

BLAME!』『シドニアの騎士』の弐瓶勉の最新作は、極寒の人工天体を舞台にしたSF。
必要最低限の説明を散りばめながらカッコいい用語やガジェットが次々に飛び出す、弐瓶ワールドは今回も健在。ほとんどベタを使わない独特のタッチで描く情景描写もすばらしい。連載誌が少年誌ということもあって、これまでに比べ、初心者にもはいりやすい内容になっております(※注:弐瓶比)。

オススメボイス!

■『シドニアの騎士』の弐瓶勉先生の最新作。弐瓶ファンならニヤリとするワードをちりばめながらも、新規読者もキャッチできる間口の広さを読んでいて感じました。ハードな世界観と設定、見やすいながらも描きこまれた今作は、弐瓶先生唯一無二のものだと思います。ファンの方はマストですが、それ以外の読者にもぜひ読んでほしい作品です(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店店長)
■人工天体・アポシムズを舞台に繰り広げられる冒険ストーリー。架空の世界の風景、システム、構造を描写する圧倒的な筆致がすばらしい。変身ヒーローものの趣があるのもいい(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
■『シドニアの騎士』のアニメ化を経た影響なのか、とてもわかりやすく、女の子がかわいくなった弐瓶勉最新作。それでも退廃的で、残酷な世界観は健在。「エナ」や「ヘイグス粒子」などおなじみのキーワードもでてきます(芝原克也/日販ほんのひきだし編集部)
■弐瓶勉先生の新作! 今回も弐瓶勉! といった作品に仕上がっております。アニメ化待ったなしか!?(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)
■待望の弐瓶勉の新作。終末後を思わせる退廃的な世界を舞台に美しく残酷な物語が展開される。随所にこれまでの作品の設定を引きついでいることがうかがえ、今後どのように交わるのかも楽しみ。意外性のあるヒロインも完璧にかわいくて最高である(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
■1つひとつのシーンに、先の読めない展開に、ただただ魅了されてしまう。絶望しかない状況下で生き残ってしまった主人公が、これから何をなしとげていくのが非常に注目。すごいダークアドベンチャーが、始まってしまった(ふな/いつかたどり着く管理人)
■「エナ」、「ヘイグス粒子」、「超構造体」、これまでの作品と地続きでありながらまた違った様相を見せる。「正規人形」、「皇帝」、「鎧化」、「コード」など、きっと最後まで読んでもその内容の何%もわからないまま終わるんだろうなとは思うけど、おもしろいならそれでいい(マキタマキナ/(成年)漫画愛好家)
■「ヤングマガジン」に載ってた同名の読み切りとのつながりが気になりますね。まだ謎が多いですが、期待させるものがあります。鎧のデザインがダンバインみたいでカッコいい(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)
弐瓶勉先生のニューワールド。あいかわらず謎だらけで、冒頭に出てくる「人形病」の説明もなんもなしに話が進みますが、それがイイ(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)


第2位(180ポイント)

『悪魔を憐れむ歌』 梶本レイカ

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『悪魔を憐れむ歌』
梶本レイカ 新潮社

8年前に起こった「箱折連続殺人事件」を追う北海道警の刑事・阿久津亮平。
しかし、まわりの刑事はいつまでも昔の事件にこだわる彼を邪険に扱ってばかり。
そんななか、阿久津は捜査中に咽喉科医の四鐘彰久と知り合う。アメリカ帰りで物腰柔らかい彼は、阿久津に協力を約束してくれる。だが、2人の出会いをきっかけに、終わっていたはずの「箱折連続殺人事件」が再び幕を開ける!

これまで『コオリオニ』BL作品を手掛けていた梶本レイカが、一般向けに描いた新作は衝撃のクライムサスペンス。単に猟奇殺人を扱うだけではなく、警察の不祥事が絡むことで二重三重の人間模様を描くことに成功している。また注目したいのは、箱折犯による殺害の描写。
人体を異様な形に折り曲げて殺害していく描写は、ただ凄惨なだけではなく、どこか官能的な色気を感じさせるすごみがある。

オススメボイス!

■未解決猟奇連続殺人を追い続ける刑事、阿久津。危険な匂いを秘めた医師、四鐘。2人の関係を中心としたクライムサスペンス。四肢の折りたたまれた死体が発見される兇悪な幕開けから、「証明しろ お前のオペラを」と高らかにうたいながら殺しを遂行する四鐘のシーンが見開きでドンとブチかまされる第1話から、もうすでにヤバいムードがムンムンである。かわりはてた阿久津の元同僚の凄惨な顛末や、事件をかぎまわるライター、現役とOBの一枚岩でない思惑、「ギガス写本」の苛烈な逸話、四鐘のいわくありげな掌の傷などがほのめかされ、トドメには阿久津、四鐘との三つ巴の構図を予感させる不穏なキャラクターも登場と、盛りだくさん。さらなる危険領域に突入しそうな雰囲気でじっくりとサスペンス度を高めていきながら次へと続く。まったくもって目がはなせない(糸田屯/ライター)
耽美な絵柄でのミステリアスな雰囲気を保つサスペンスに心をガッチリとつかまれる(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
■猟奇殺人をテーマにした、ノワール・サスペンス。作中にちりばめられたメッセージや伏線も豊富で、黒いファンタジーアが横溢している。好むと好まざるとにかかわらず、絶対に無視のできない一作(加山竜司/フリーライター)
■いろんな人に怒られそうですが、もう今年の1位はこの作品に決定でいいんじゃないでしょうか。レイカちゃん好き~! レイカちゃん好き~!(劇画狼/漫画始末人)
■『コオリオニ』で一躍有名になった著者が放つ最新作がコチラのマンガです。あいかわらず、どうなるか予想ができない展開に読んでいてドキドキしてしまいます(種村理沙/KYTIMKYM管理人)
■まあこの作者さんならこういったサスペンス展開になることは想像できたが、それ以上に恐かった。1巻で主要登場人物が出そろったので、人物たちが動きだす2巻に期待(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
■各界著名人絶賛の『コオリオニ』の著者の最新作。その喋り方、行動、舌とかタトゥーの入れ方、そして随所のオペラのたとえ、まさにサイコパス! 狂気に染まる魅惑の医師につい肩入れというか心酔してしまいました(ホシ/ごきげんノベルス 編集)


第3位(164ポイント)

『1122』 渡辺ペコ

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『1122』
渡辺ペコ 講談社

相原一子と相原二也は結婚7年目の仲よし夫婦。しかし、夜のほうは一子の性欲がまったくの「凪」状態だったこともあって、セックスレスが続いていた。そんな2人が採用したのは「婚外恋愛許可制」、つまり二也の不倫を一子が認めるというものだった!

前作『にこたま』で、煮えきらない三十路カップルの関係性を描いた渡辺ペコの新作は、少し変わった夫婦の生活。どこの夫婦にでも起こりうる一般的な問題を、とても一般的とは言えない方法で解決しようとした相原夫妻。一見ドライなようだが、普段の生活では互いを思いあって尊重しているのは間違いなく夫婦円満のはずなのだけど……。
はたしてこれは「いい夫婦」と言っていいものなのか?

オススメボイス!

恋人とも家族とも違う「夫婦」という関係性についてこれほど生々しく肉迫してくれたマンガはほかにない! 「にこたま」同様、ひとつの現実を男女それぞれの目線でとらえてゆくスタイルもリアルではまってる。既婚者でなくとも必読です(井口啓子/文化系ライター)
■「性」にまつわるテーマを描き続けているペコ先生の最新作は、公認不倫を選択した30代夫婦の物語。同世代だけに細かなシーンに笑えたり、ガンガン刺さったり、リアルすぎて心かき乱されます。はたして、これを無傷で読める夫婦は世のなかにどれくらいいるのでしょうか(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
人が見たくもないものを洗練されたその描線で淡々と描き出すものだから渡辺ペコはタチが悪くて最高なのだ。思考停止のその先へ、慎重に、静かに、だがしかし確実に歩みを進める様は、今日の最先端を行くマンガ家としていかにもふさわしい(小田真琴/女子マンガ研究家)
■セックスレスで婚外恋愛OKの夫妻の話。恋愛とは、結婚制度とは、夫妻とはって、切りこみっぷりがヤバいです。渡辺ペコさんのマンガは、いつもなんかちょっと新しいところをついてて、いままでなかったものになってゆくからすごい(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
■この世代におけるこのテーマの切実さもさることながら、渡辺ペコの描く女性と男性は、美しいくせに生々しい。何度も何度も何度も読みかえす。「公認不倫」という設定を、説得力をもってハッピーエンドにしてほしいと強く願う(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■夫婦という日常的な題材をすごい角度からえぐりまくる「ペコ節」に戦慄。あまりの鋭角的なアプローチに、体調を整えて読もうと思う作品です!(川原和子/マンガエッセイスト)
■世の中の夫婦が、みんな普通に性欲があって、セックスして、子どもがいる、そういうわけではないという現実がある。この作品の夫婦は妻が旦那に対して不倫を認めるという「公認不倫」っていう方法を取っている。そんななか、不倫相手に夢中になってく夫にたいして妻はどういう心境になるのかという……タイトル“1122(いい夫婦)”とは何か考えさせられる深いテーマの作品です(ゴロー/AV男優)
■渡辺ペコさんは、『あなたのことはそれほど』(いくえみ綾)以前から、夫婦関係のむつかしさを表現している作家さんです。登場人物を自分におきかえていろいろ考えてしまうかもしれない作品(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
■不倫OKのセックスレス夫婦から連想されるドロドロ展開にとらわれず、現実的な着地点をいかにエンタメとして提示できるのか? どこまでも突き進んでほしいです(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)


単行本情報

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  • 『悪魔を憐れむ歌』 第1巻 Amazonで購入
  • 『1122』 第1巻 Amazonで購入
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