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【9月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】『アイシールド21』の稲垣理一郎と『サンケンロック』のBoichiによる圧倒的最強マンガがオトコ編第1位……!

2017/08/21


第4位(70ポイント)

『約束のネバーランド』 白井カイウ(作)出水ぽすか(画)

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『約束のネバーランド』
白井カイウ(作)出水ぽすか(画) 集英社

身寄りのない子どもたちを集めた小さな孤児院「グレイス=フィールドハウス」。そこで暮らす少年少女たちはささやかながらも幸せな日々を送っていた……そこが、子どもたちを食料として出荷するための人間農場と知るまでは……!

真実に気づいたエマ、ノーマン、レイの3人が、孤児院から脱走するために知恵を巡らせる頭脳戦を描いた、『約束のネバーランド』。これまではシスターの目を盗み、順調に脱走計画を進めていた3人だったが、3巻のラストで脱走計画の協力者であったクローネが死亡。さらにシスターによってエマの足が折られ、そのうえ、ノーマンの出荷が決定するという急転直下の事態からの第4巻。
ノーマンの命を救うためにいろいろと計画を立てるエマだが、ノーマンにはノーマンの思惑があるようで……。そしていよいよ決行される脱走計画。エマは子どもたちをつれて施設から逃げだすことができるのか!?

オススメボイス!

■週刊誌連載でここまで練ってあれば上々。「次はどうなる?」とワクワクさせてくれるのは、マンガとしてまさに王道だ(辻 真先/アニメ脚本家・推理作家)
■まさに脱獄編のクライマックス直前。すさまじい緊迫感で、目を離す隙がない(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■『約束のネバーランド』は、子どもたちの脱走計画も、いよいよ佳境。監視側の大人たちと脱走しようとする子どもたちの駆け引きは目が離せない(廣澤吉泰/ミステリコミック研究家)
■ハラハラしっぱなしのファンタジー脱獄マンガ。子どもたちが育った、孤児を育てるハウスと見せかけて、鬼の食料を育てる施設からの脱走編のクライマックスです。真実を知った子どもたちが選ぶ道と、その道をいくために知恵と勇気を振り絞る強さが眩しいです。まだまだ先が見通せないけど読むのがとまらない4冊目。勢いが衰えないままどんどん巻を重ねてほしい連載です(アキミ/「ボーイズラブを読む!」管理人)

≪「ロングレビュー」でのご紹介はコチラ!≫


第5位(62ポイント)

『甘木唯子のツノと愛』 久野遥子

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『甘木唯子のツノと愛』
久野遥子 KADOKAWA

マンガ執筆だけではなく、アニメーション制作も行い、岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』でアニメーションディレクターも務めた、久野遥子の処女作品集がついに登場。

「透明人間がいる」と主張してクラスのなかで浮いてしまっている、女子小学生。巨大化して怪獣と戦うアルバイトをしながら小学生時代の恩師にアプローチする女子高生、蛇の着ぐるみを着こんで少女を飲みこむ仕事をしているうちに、少女に恋するようになったサーカスの少年。自分たちを置いて姿を消した母親に屈託を抱える、ツノの生えた妹とツノのない兄。
少し変わった少年少女たちが主人公にした4つの物語は、思春期特有の痛々しさと愛おしさで読者の心を強烈にえぐること間違いなし。

オススメボイス!

■表題作は「とりあえず読んで。話はそれからだ」という表現で薦めざるをえない作品。一コマですべてが歪む読書体験は圧巻。極上のミステリーを読んだような感じだけれど、ミステリーと違って解説(謎解き)があるわけでもなく、何度も読み返しては登場人物たちの心情をトレースするという、答えのない行為をしてしまう。ほか3編の短編も一筋縄ではいかないものばかり(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
■アニメーション作家として岩井俊二さんなどにも評価されてる著者の初コミックス。2010年から2017年までの4作品が収録されております。4作品とも画風が全然ちがうのに4作品とも「好き!」と感じる素敵で丁寧な絵が紡がれております。読後しばらく後頭部がジーンとする話の余韻もすばらしく。折につけ何度も読み返す作品となりそうです(すけきょう/感想サイト「ポトチャリコミック」運営)
■2010年から2017年のあいだに発表された作品集ゆえ、絵にバラつきはあるものの、これはまさに天才の所業である。コマのなかに所狭しと描きこまれた絵は過剰に見えながらもすべてが必然性をまとっている。せつなくて甘酸っぱくてほろ苦い少女たちの物語。個人的には市川春子以来のインパクト。次作が楽しみでならない(小田真琴/女子マンガ研究家)


第6位(56ポイント)

『めしにしましょう』 小林銅蟲

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『めしにしましょう』
小林銅蟲 講談社

人気漫画家・广大脳子(まだれ・だいのうこ)とアシスタントの青梅川おめがが、締め切りもぶっちぎってひたすらウマい料理をつくる人気シリーズ第3巻。漫画家が主役の話なのにマンガの話などはろくにせず、異様な食材と徹夜2日目のようなテンションのシュールなギャグに、キレッキレのいいまわしが飛びかう本作だが、今回もアンコウに巨大タカアシガニ、牛タンの塊といった一般的な家庭の台所には絶対並ばないような食材が盛りだくさん。
明らかにヤバげな臨時アシスタントも登場して、ギャグの切れ味もますますブースト。いろんな意味でどんどん内容が加速している。

そして注目すべきは本マンガの巻末の次巻予告、その欄外で『秋津』『レイリ』の室井大資からさらっと明かされる衝撃の事実(編集部注:ちなみに小林銅蟲自身の似顔絵も激似!)。『バイオレンスアクション』の原作者って兼業主婦じゃなかったんだ……。

オススメボイス!

■低温調理を流行らせた本作もついに3巻。このマンガに珍しくも米を炊いたあとは、まさかのまかない飯で佛跳牆(ファッチューチョン)。「究極メニュー」とか「最終兵器」とかいわれている佛跳牆を自宅でつくる人をはじめてみた。今回はアシスタントにニヤニヤする面々も登場するという楽しみもアリ。次巻はまさかの著者本人登場なのか? 『ザ・ノンフィクション』でニート時代の著者をディスった人にもぜひ読んでほしい(マクガイヤー/ブログ「冒険野郎マクガイヤー」管理人/ニコ生主)
■料理×不条理ギャグマンガの第3巻。キャラもこなれて一話一話がますます濃くておもしろい。独自の言語感覚から繰りだされる名言の数々は、声に出して読みたくなる(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
■最近、TVのドキュメンタリー番組でその変わったライフスタイルが紹介されて世間の度肝を抜いた小林銅蟲先生が送るグルメマンガも第3巻。今巻一番の見どころは「佛跳牆(ファッチューチョン)」です。『美味しんぼ』では究極のメニューとして登場し、『鉄鍋のジャン!』にも登場するが「値段に天井がない」といわれる高級中華料理をあえて自宅でつくってしまうっていうセンス。このセンスがほかのチープなグルメマンガと一線を画しています。このあたりの異様なこだわりが小林先生がいわゆる「ヲタク」ではなく、本物の「ギーク」なんじゃないかと感じさせてくれる異次元のグルメマンガです(ゴロー/AV男優)

≪「日刊マンガガイド」でのご紹介はコチラ!≫


第7位(54ポイント)

『ワニ男爵』 岡田卓也

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『ワニ男爵』
岡田卓也 講談社

いまだブームが衰えることもなく、手を変え品を変え、様々なかたちで登場するグルメマンガ。そんな生き馬の目を抜くようなグルメマンガ業界に、新たな傑作が登場!
主人公はなんとワニ! シルクハットに蝶ネクタイと常に正装で物腰柔らかな紳士、アルファルド・J・ドンソンが友人であるウサギのラビットボーイとともに、いろんなお店を食べ歩き。

擬人化された動物たちが、牡蠣にうどんに焼肉など様々な料理をおいしそうに食事をする姿は一見メルヘンだが、どいつもこいつも一癖ある性格をしており、紳士的なドンソン氏ですら、ときに野生が目覚めて周囲をドン引きさせることも……。そんな奇妙で楽しい不思議な世界観を素敵な料理の数々とともにご覧あれ。

オススメボイス!

■読切から、あれよあれよと連載化、単行本まできた、異色の動物擬人化、食(?)マンガ。見た目は完全に爬虫類なのに、紳士で食通な文士というギャップも楽しい(soorce/オヤジ漫画系ブロガー)
■ワニの姿を紳士がウマいものを食べ歩くグルメマンガ。このマンガのポイントはワニ男爵のワニ感がすごい!! 圧倒的ワニ! 一般的に動物マンガは動物をかわいくデフォルメするけれど、このマンガは図鑑で見たあのワニそのものが普通に直立して紳士の格好をしている。このかわいくないワニが紳士的に振るまったり、うまそうに飯を食べ、ときどき野生に帰る。このシュールな構図がじつにすばらしいのである(ゴロー/AV男優)
■ワニの男爵(?)がいろいろと食べに出かける不思議なグルメもの。じわりじわりとクセになる作品(麻野昌三/わんだ~らんど なんば店 店長)


単行本情報

  • 『Dr.STONE』第1巻 Amazonで購入
  • 『弟の夫』第4巻 Amazonで購入
  • 『好奇心は女子高生を殺す』第… Amazonで購入
  • 『約束のネバーランド』第4巻 Amazonで購入
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  • 『めしにしましょう』第3巻 Amazonで購入
  • 『ワニ男爵』第1巻 Amazonで購入
  • 『バイオレンスアクション』第… Amazonで購入
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