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妹に”盗み食いされない”アイスが登場! 冷蔵庫で擬態するアイスって!?【B級ニュース】

2017/10/16


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「"絶対に盗み食いされない"アイス登場」について。


gelato

『ジェラート、アイスクリーム、シャーベット―ライト&リッチな45レシピ』
柳瀬久美子 主婦の友社 ¥1260円+税
(2011年6月1日発売)

キミは「ブラックモンブラン」を知っているだろうかッ!?

「ブラックモンブラン」とは、竹下製菓が発売している氷菓(アイス)である。おもに九州地区で販売されており、発売から48周年を迎えた同社のロングセラー商品だ。

それがこのほど、全国の「ドン・キホーテ」にて、限定パッケージで発売されることになった。
しかもその限定パッケージ、オモテ面には白地に水色の文字で「DO NOT EAT ※食べてはだめ」と書かれており、どこからどう見ても保冷剤なのであるッ!!
その名も「冷凍庫にかくれる! 擬態アイス」とあり、「冷凍庫に置いといたアイスがだれかに食べられちゃった!」悲劇を回避するための「擬態」なのだという。

冷凍庫にあるのは一見ただの保冷剤のようだが……

冷凍庫にあるのは一見ただの保冷剤のようだが……


裏には、ブラックモンブランのロゴが! こりゃ気づかねぇ!!

裏には、ブラックモンブランのロゴが! こりゃ気づかねぇ!!

G・I・T・A・I
そう、擬態。
別の何かに、なりすますのだ。
平安の昔の『とりかへばや物語』から「前前前世」にいたるまで、とかく日本人は入れ替わりや“なりすまし”が大好物。ある意味では「ブラックモンブラン」は伝統的な手法で商品展開を仕掛けているともいえるのだが、マンガ業界の“なりすまし”も、なかなかのものだ。

といったわけで今回は、「このG・I・T・A・Iがすごい!」と題して“なりすまし”マンガを特集する。

yuukokunomoriaty

『憂国のモリアーティ』 第1巻
コナン・ドイル(「シャーロック・ホームズ」シリーズ)(案)竹内良輔(構成)三好輝(画) 集英社 ¥438+税
(2016年11月4日発売)

最新流行の“なりすまし”マンガといえば、『憂国のモリアーティ』である。
コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズを原案としており、本作はホームズの宿敵にして犯罪王・モリアーティ教授を主人公にしている。
モリアーティ教授といえば、世代によってはシルクハットをかぶった赤鼻の犬を思い浮かべる人もいれば、『SHERLOCK』でスマホを操るアンドリュー・スコットを思い浮かべるかもしれないが、本作はモリアーティ教授の若き日の姿を題材にしている。
もともと孤児だったウィリアム(のちのモリアーティ教授)は、天賦の才を見込まれて、モリアーティ家の長男アルバートに拾われる。やがてアルバートはウィリアムと共謀し、両親と実弟を殺害。爵位や財産などモリアーティ家のすべてを手中に収めるとともに、ウィリアムを実弟に成りかわらせるのであった。

のちにホームズをして「犯罪のナポレオン」と評されるモリアーティが、どのように犯罪王に成長していくか?  犯罪王に魅入られないように、バリツを学びながら物語の続きに注目していきたい。

millionjoe

『ミリオンジョー』 第1巻
市丸いろは(画)十口了至(作)講談社 ¥648+税
(2013年7月23日発売)

コミックスの初版が500万部を超えるような、少年マンガのミリオン作家がもし急逝したら……?
そんな、想像するだに恐ろしいシチュエーションを描いた作品が『ミリオンジョー』だ。
主人公の呉井聡市は、出版社(千道社)に入社して3年目の若手編集者。「週刊少年グローリー」で10年以上の連載を続けている大ヒット作『ミリオンジョー』の作者・真加田恒夫から指名されて、担当編集となった。
ところが『ミリオンジョー』が人気絶頂のさなか、作者の真加田が急死してしまう。出版社を支えている看板作品を、おいそれと終わらすわけにはいかない。そこで呉井は、チーフアシスタントと共謀し、真加田になりすまして連載を継続することになるのだが……。

他人とのコミュニケーションを極端に嫌う作家、分担制の作業環境など、本人不在でも回ってしまう作業現場と、しかし他人では絶対に埋めることができない本人の才能。ごまかしの利かない部分は、どのような“なりすまし”で埋めていくかが注目ポイントだ。

kagemushatokugawa

『影武者徳川家康』 第1巻
隆慶一郎(作)原哲夫(画) 徳間書店 ¥658+税
(2010年3月30日発売)

歴史を題材にした作品の場合、本人に成りかわる題材は多く、たとえば『信長協奏曲』ではタイムスリップした現代の高校生が織田信長になりすまし、『覇 -LOAD-』では大陸に渡った倭人が劉備になりすましている。だが、歴史 “なりすまし”作品の金字塔といえば、もちろん『影武者徳川家康』である!
隆慶一郎の時代小説を原作とし、原哲夫がマンガを描くというのは大ヒット作『花の慶次』と同様の組み合わせだ。
天下人・徳川家康は、じつは関ヶ原の戦いの際に討ち死にしており、以降は影武者(世良田二郎三郎)が家康として振る舞っていた……という大胆設定が、おおいに話題を呼んだ。
前作『花の慶次』では、徳川家康は勝新太郎そっくりの狸親父として描かれていたのに、さすがに少年誌(「週刊少年ジャンプ」)掲載のマンガ作品で主人公が狸親父というわけにはいかなかったのか、精悍な顔つきのシュッとしたチョイ悪オヤジ系ルックスになっていたのもポイントが高い。そのあたりの、読者の「おいおいおい、これが家康か?」といった感想が、この「影武者が入れ替わっていた」説との相性が抜群だった。

島左近や本多正信など、歴史マニアしか知らなかったような人物にもスポットが当たったのも、本作の功績のひとつ。“なりすまし”の妙味を最大限に味わわせてくれた作品だ。
保冷剤になりすました「ブラックモンブラン」は、だれかに食べられてしまうこともなく、確実に持ち主の口に収まることだろう。
しかし、この「ブラックモンブラン」擬態バージョンのパッケージがあまりに流行しすぎると、今度は「擬態アイスと間違えて、本物の保冷剤を口にしてしまう」案件も出てくるのでは……というのは、心配を先取りしすぎか?
うーん、なんだわからなくなってきたぞ。食われているのはブラックモンブランだが、置かれている保冷剤はいったいどっちだろう?



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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