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映画『ちはやふる -上の句-』 太一、新だけじゃない! 机くん、肉まんくん……個性派男子に胸きゅん祭り!?【あのアニ】

2016/03/03


「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。

アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい!WEB」の新企画がスタート!
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい!」ならではの視点で作品をレビュー! そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します!

今回紹介するのは、『ちはやふる -上の句-』

かるたバカの女子高生・千早が仲間を募って、競技かるた日本一を目指す!
『ちはやふる』(末次由紀)は、『このマンガがすごい!2010』でオンナ編第1位獲得、以降も人気は衰えることなく今もロングヒット連載中の作品だ。だれもが知っている小倉百人一首を使ったかるたの、競技としての魅力を存分に伝える青春譚がついに実写映画化された。

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だれもが振り返るほどの美少女なのに、本人は自覚ナシ。おしゃれにも興味がなく、頭のなかはかるたでいっぱい……「無駄美人」と称されるヒロイン・千早役は、これが映画単独初主演となる広瀬すずだ。
昨年話題を集めた映画『海街diary』(吉田秋生・原作)で映画デビュー。母の異なる3人の姉たちといっしょに暮らし始める“すず”を演じ、一躍注目を集めた弱冠17歳のホープに期待が高まるところ。

冒頭、千早がかるたを前にして、あの“本気の目”を見せるシーンには、原作の愛読者も「千早がここにいる!」と膝を打つに違いない。常人にはとてもついていけない競技かるたの恐るべきスピード感も、しっかりと体得しているから恐れいる。

ショートカットのイメージが強い広瀬すず(千早役)だが、ロングヘアも袴もバッチリきまっている。

ショートカットのイメージが強い広瀬すず(千早役)だが、ロングヘアも袴もバッチリきまっている。

さて、本作は「上の句」「下の句」の二部作として順次公開される。「上の句」は、千早が、幼い頃同じかるた道場に通った仲間である真島太一(野村周平)と高校で再会し、競技かるた部創設のためのメンバー集めに奔走するところからスタート。

かるた経験者でムードメーカーの“肉まんくん”こと西田くん(矢本悠馬)、呉服屋の娘で日本の伝統文化と古典を愛する大江さん(上白石萌音)が加わって、残るはあとひとり。そこで白羽の矢が立ったのが、秀才だが友人を作らない偏屈の変わり者……級友たちに“机くん”と呼ばれる駒野勉(森永悠希)だ。

「上の句」では、寄せ集めの瑞沢高校競技かるた部がいかに心を通わせ、創部2カ月で地区大会に挑むかが大きな軸となっている。「部活に所属しなければならないから部員になるけど、やる気はない」と公言する机くんこそは第一の難関だ。
しかし、千早のまっすぐな情熱はそんな彼をも巻きこんでいき……5人一丸となった特訓のなかで、次第に笑顔さえ見せるようになっていく机くんにキュンキュンきてしまう。
う〜ん、これぞ青春! 個人的には、正直、机くんというキャラクターが前よりもっと好きになってしまった。ただし、彼らが本当の意味で“チーム”になるにはもうひと山越えなければならないのだが……。

かるた部の快進撃はもちろん、千早と太一、そして新の恋愛模様にも注目したい。

かるた部の快進撃はもちろん、千早と太一、そして新の恋愛模様にも注目したい。

瑞沢高校競技かるた部の面々やライバルたちの“札をとる技術”は相当鍛えられていて、競技シーンの緊迫感と迫力は鳥肌もの。競技かるたがいかに運動量と精神力を必要とするかが十分に伝わってくる。

監督の言によれば、「上の句」のテーマは「高校生らしいコミカルさもあるスポ根もの」。後編となる「下の句」では、「なぜかるたをやっているか?」を焦点により深いドラマを描く。
カギとなるのは小学生時代に千早と太一をかるたの道に引きこみ、競技人としては一歩先を行く天才・綿谷新(真剣佑)だ。福井に引っ越した彼とは疎遠になってしまったが、「かるたを続けていればまた会える」「全国大会に進めば新と会える」と信じる千早の想いは……? そして、千早に想いを寄せる太一の心境は?
原作ファンはもちろん、原作を未読の方も熱くなれるこの春一番の話題作だ。


『ちはやふる』の映画を観たあとは……

何を隠そう、「このマンガがすごい!WEB」は、マンガの情報サイト1 そんなわけで、『ちはやふる』が大好きなアナタに、読んでほしいマンガを紹介しちゃいますよっ。

『ちはやふる』末次由紀

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『ちはやふる』第1巻
末次由紀 講談社 ¥429+税
(2008年5月13日発売)

現在30巻最新31巻は3月11日発売予定)まで続いているの原作マンガ。
第1巻では、千早たちはまだ小学生。この頃から千早のことが好きな太一は、千早の関心を引く新に対して、けっこういじわるだ。のちに秀才イケメン高校生になり、女の子にモテまくる彼とは思えないくらい、意地汚い行動を取ったりするので、改めて読み返すと、太一にもこんな時代があったんだなあと、ほほやましい気持ちになる。

そんな彼と千早の関係が大きく変わろうとするのは、第26巻のラスト。思わず息を飲んでしまうシーンが登場する。恋愛面において、非常にスローテンポな本作だが、登場人物たちの心理描写がとても丁寧で、美しい。だからこそ、引きこまれる。
未読の人は、これを機に30巻大人買いをして、一気読みしてほしい。

『ちはやふる』第26巻の「日刊マンガガイド」での紹介はコチラから!


『ナナマルサンバツ』杉基イクラ

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『ナナマルサンバツ』第1巻
杉基イクラ KADOKAWA ¥560+税
(2011年5月2日発売)

『ちはやふる』と同じ、文化系のマイナー部活ものといえば、こちらの作品。
ひょんなことからクイズ研究会に入部した主人公・越山識。文学好きの本の虫だった彼は、その知識を思いがけなく活かせる競技クイズにのめりこんでいく。
とはいえ“競技”としてのクイズの強さは知識量だけでなく、出題の先を読む予測力、ボタンを押す反射能力も重要だ。様々な持ち味の先輩プレイヤーや仲間たちとともに切磋琢磨し、目指すは全日本U—18クイズ選手権優勝だ。
登場人物たちといっしょに出題に頭をひねりながら、トリッキーで奥深いクイズの世界を体験しよう!

『ナナマルサンバツ』第10巻の「日刊マンガガイド」はコチラから!


『とめはねっ! 鈴里高校書道部』河合克敏

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『とめはねっ! 鈴里高校書道部』第1巻
河合克敏 小学館 ¥505+税
(2007年5月2日発売)

廃部寸前の危機にある鈴里高校書道部に、ほとんど脅されて入部することになった大江縁くん、はカナダからの帰国子女で日本語がいまひとつ苦手。そしてもうひとりの新入部員、望月結希は騙されて入部!?
初心者の2人は、最初は文字すら書かせてもらえず○や△の練習をさせられるのだが……。作中に登場するダイナミックな作品の数々に私たちが学校で習ってきたものとは別種の、新たな書道の魅力を感じて目からウロコ。

文字の美しさ、言葉の解釈、フレッシュな表現にも刺激されるさわやか青春ストーリーは、『ちはやふる』ファンの心にも響くはず。

『とめはねっ! 鈴里高校書道部』の「きょうのマンガ」(6月24日)での紹介はコチラから!


映画情報:ちはやふる[上の句][下の句]

公開日:[上の句] 3月19日(土)全国ロードショー
[下の句] 4月29日(金)全国ロードショー
配給:東宝

■原作
末次由紀『ちはやふる』(講談社「BE・LOVE」連載)

■CAST
広瀬すず(綾瀬千早役)
野村修平(真島太一役)
真剣佑(綿谷新役)
上白石萌音(大江奏役)
矢本悠馬(西田優征役)
森永悠希(駒野勉役)
ほか

■STAFF
監督・脚本:小泉徳宏
音楽:横山 克
企画・製作幹事:日本テレビ放送網
制作プロダクション:ROBOT

協力:一般社団法人全日本かるた協会

■主題歌
「FLASH」Perfume

■公式サイト
http://www.chihayafuru-movie.com/



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

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