日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ふうらい姉妹』
『ふうらい姉妹』 第4巻
長崎ライチ KADOKAWA ¥600+税
(2017年4月15日発売)
パートで生活費を稼ぐれい子と小学生のしおりは2人暮らしの仲むつまじい姉妹。
2人ともとびきりの美人なのに、中身はズバリ“残念”!?
その美貌に似合わないがめつさ、つつましやかな日常生活のなかでごく自然に飛び出す奇行の数々……ともかく次のコマがまるで予測不能なシュール4コマ。
貧乏暮らしだが自虐的な笑いはいっさいナシ。
ボケもツッコミも(ときにはボケに次ぐボケ)、この表紙のごとく美しい微笑みをたたえて。
ストーリーマンガスタイルのラスト4話では、れい子が往年のスター歌手のステージ衣装を手がけることになるのだが、この衣装がまた想像を超えるでき!
緻密な筆致から繰り出されるネジのはずれた美人姉妹のやりとりは、腰が砕ける独特のノリでくせになるのだ。
これが最終巻とはさみしいかぎり。
同時発売の短編集『地球に生まれちゃった人々』もまた唯一無二の想像力で魅せてくれる。
あえて作風を言葉にするなら大小様々な落とし穴がたくさん仕掛けてあるような……?
この著者の頭のなか、いったいどうなってるんだか見てみたい!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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