『とっかぶ』第3巻
桑原太矩 講談社 \600+税
(2014年9月5日発売)
学校の問題児を集めて、様々な奉仕活動を通じて更生させるため臨時に設立された間倶楽高校「特別課外活動部」、通称「特課部(とっかぶ)」。
自作の機械を駆使して試験問題を盗み出し売買していた自称アマチュア・スパイの「くらげ」こと倉下清大は特課部送りとなるが、そこには“弱きを助け 悪をくじく”ヒーローとして活動するために自主入部した部長の丹ノ宮沢(サワ)がいた。幼なじみの罪をかぶって不良のレッテルを貼られ、特課部に入った千歳悠緑(ユーリ)も加わって、晴れて「赤・青・緑」の3色そろったメンバーが、街の平和を守るため戦う……!?
物語のけん引役であるサワと、ツッコミ役のくらげがぶつかるトラブルは、移動する地蔵や食い逃げなど平凡な日常に投げこまれた小さな謎や事件だ。
しかし、その背景には、人が家族や仲間に対する想いが隠されている。特課部の活動は、世界を救いはしないけれど、誰かの心を間違いなく救っているのだ。
第3巻では、マヨネーズをぶっかける通り魔“ハンプティ”の登場で、サワにやっとヒーローらしい活躍の場が与えられる。
主人公3人組にも劣らない新キャラも登場して、特課部の行動からいよいよ目が離せない!!
<文・富士見大>
編集プロダクション・コンテンツボックスの座付きライター。『衝撃ゴウライガン!!兆全集』(廣済堂出版)、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、平成25年度「日本特撮に関する調査報告」ほかに参加する。