『平成生まれ 2』第1巻
ハトポポコ 芳文社 ¥885
(2014年6月27日発売)
中毒者続出中の会話劇。一度読んだら抜け出せない。
まずツッコミが圧倒的に少ない。どこまでがボケかわからない。キャラ間の会話がまとまらない。
「○○をやりません」と一コマ目で発言して、本当になにもせず終わる、なんてのもざら。
「中川さーん、大きい声で叫んでくれへん?」「え……いいけど……わーッ! わーッ」
「もっともっと」「ワーッ! ど、どう?」「うるさい」「え゙ーっ!?」
そもそも「なぜ大きい声で叫ぶのか」の流れはまったくない。
だいたい1、2コマ目で唐突に話が出て、そのままねじまげて終わる。イラッとする。それがたいへんクセになる。
こういうキャラの脈絡のない思考の吹っ飛び方が「平成」感覚なのか? ゆとり世代ってやつか!?
いや、だが平成生まれでもそこまで突飛なこと言わないぞ。つか、もう平成に入って26年だぞ。
でも「『平成生まれ』って会話がちょっとわかんないかも」という感覚はなんかわかる。
別にジェネレーションギャップを描いた作品でもなんでもない。よく練られた言葉遊びだ。
語感のチョイスと会話のテンポには目を見張るものがあり、そこに深い意味がないのがいい。
タイトルに「2」ってついてますが、本作からでも楽しめます。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」