日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『美しい犬』
『美しい犬』 上巻
オオイシヒロト(画) ハジメ(作) 秋田書店 ¥620+税
(2017年6月8日発売)
作画は『奴隷区 僕と23人の奴隷』のオオイシヒロト、そして原作を手がけるハジメの正体は施川ユウキ!
シュール系ギャグ漫画家として長いキャリアを誇り、近年『オンノジ』『バーナード嬢曰く。』等々、多くの話題作をものしている施川は初原作となる『少年Y』でもその奇才ぶりを見せつけてくれた。
本作の主人公は高校2年の森澤フミオ。
気になるクラスメイト・宮下の巨乳に、たびたび家にあがりこんでいる兄のエロい恋人に、悶々とする日々を送っている。
そんな、どこにでもいるような少年の日常に、不穏な影が……。
ほかのクラスの男子の失踪事件をきっかけに、フミオは宮下と2人きりで話す機会をえる。
夜の公園でドキドキの体験をした直後、彼は世にも美しい白い犬と出会うのだ。
さてその晩、オ○ニーをするフミオの脳裏に浮かぶのは!?
「別冊少年チャンピオン」での連載第1話を読んだ時点で「こりゃヤバい!」とゾクゾクしまくった怪作。
おそらくこれまでだれも描かなかった衝撃シーンは“事件”である。
背徳感と謎に満ちたこの物語がどこに着地するのか今のところさっぱり読めないが、最高のエクスタシーが待っていると確信してやまない!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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