日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『マヌケなFPSプレイヤーが異世界へ落ちた場合』
『マヌケなFPSプレイヤーが異世界へ落ちた場合』 第1巻
佐伯淳一(画) 地雷原(作) UGUME(キャラクター原案) KADOKAWA ¥580+税
(2017年6月9日発売)
君はファンタジー世界に現代兵器を持ちこんで、ちんたら呪文を唱えている魔法使いを問答無用で射殺したり、ドラゴンに巡航ミサイルを撃ちこんだりしたくないか。
評者はしたい。
『マヌケなFPSプレイヤーが異世界へ落ちた場合』は、ヴァーチャルFPSゲームをプレイしていた主人公が、なぜか(山ほどの銃器とともに)ファンタジー世界に迷いこんでしまうところから始まる、男の子の夢を叶える現代兵器無双もの。
原作は「小説家になろう」に投稿されたWEB小説で、本作はそのコミカライズとなる。
古くは『戦国自衛隊』、最近だとアニメ化もされた『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』などにも連なる作品だが、こちらはあくまでたったひとりでのファンタジー世界漂流。
だれもが使えるはずの魔法が使えない主人公が、そのかわりに銃や現代兵器でもって生き抜くというサバイバル色の強いものになっている。
マンガを担当した佐伯淳一の画力は非常に高く、銃の描写ひとつとっても、たいへんしっかりしている。
それによって“ファンタジー世界に銃器”というコントラストが原作以上に鮮明になっている。
FPSのプレイヤーやミリタリーファンの方はぜひ、手にとってほしい。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas