日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『重要参考人探偵』
『重要参考人探偵』 第5巻
絹田村子 小学館 ¥429+税
(2017年6月9日発売)
神社、寺、教会の息子の仲よし3人組が、恋に仕事に一生懸命な姿を描いたコメディ『さんすくみ』を生みだした絹田村子の最新作は、仲よしモデル3人組が主人公のコメディタッチのミステリマンガである。
モデルの弥木圭は、幼い頃から死体の第1発見者になってしまう不幸な体質。
警察からは「お前が犯人じゃないのか!」と疑われ、しばしば容疑者扱いされる。
圭は、毎回あわや逮捕か! という危機一髪の状況に追いこまれながらも、仲間の周防斎やシモン・藤馬の助けを借りてピンチを逃れるのだ。
『重要参考人探偵』とは、こうした一風変わった名探偵が活躍する作品である。
最新刊の第5巻では、これまでにもちらりちらりと語られてきた、圭の過去がついに明らかになる。
圭が、初めて死体を見つけたのは、5歳の時。
これまで語られなかった、最初の被害者の意外な正体が明らかになるのだ。
その衝撃的な事実の判明は、新たな事件をよび、ついに圭は警察に“重要参考人”として追われることとなる。
はたして、圭は冤を雪ぐことができるのか?
次巻の展開が気になるところである。
<文・廣澤吉泰>
ミステリマンガ研究家。「ミステリマガジン」(早川書房)にてミステリコミック評担当(隔月)。「2017本格ミステリ・ベスト10」(原書房)でミステリコミックの年間レビューを担当。