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1月3日はジオン公国が地球連邦に宣戦布告した日 『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/01/03


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『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第1巻
矢立肇/富野由悠季(作)安彦良和(画) KADOKAWA \560+税


「『このマンWEB』、またガンダムネタかよ!」とお叱りを受けそうな気もしなくもないのだが、1月3日は『機動戦士ガンダム』の物語において、どうしてもスルーするわけにはいかない日。
というのも、ジオン公国が地球連邦政府に対して宣戦布告したのが宇宙世紀0079年の今日。つまり、「1年戦争」の始まりの日なのだから。

アニメ第1作の『機動戦士ガンダム』は、その1年戦争の後半4カ月を描く物語なのだが、開戦に至るまで、そしてアムロがガンダムに搭乗する以前の出来事は、安彦良和によるコミック『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でカンペキに描かれている。
第8巻までは、基本的にはアニメのストーリーをベースとした展開(アニメだともっと後になるシャアとセイラの再会がごく初期になっていたり、いくつか大きな変更点はあるのだが)であり、より人間関係やメカニックの描写が魅力を増しているものの、率直に言えば「知っている話をなぞる」という構造だった。
だが、第9巻よりシャアの復活をきっかけに、セイラの回想モードに突入。そこから幼少期のシャアとセイラ、ザビ家の陰謀などが克明に描かれることで、加速度的に本作ならではの盛り上がりを見せる。
キャスバルがいかにしてシャア・アズナブルとなったのかはもちろん、ドズル・ザビの顔面が傷だらけのワケといった細かいこと(それが意外なぐらい大事件だったりするのだが)から、ザクが登場するまでのモビルスーツ開発史まで、安彦良和だからこそ可能と思える描写の数々には、ただ感嘆するばかりである。

特にここで描写される、若き日のランバ・ラルとハモンはあまりに魅力的であり、アニメで彼らを死に至らしめたホワイトベース隊の面々が腹立たしく思える人もいるかも?
ほかにも“女傑”として、あるいは“稀代の悪女”として登場するキシリア、すでに特異な才能の片鱗を見せるララァなど、ただ「アニメを補完するマンガ」などと思っていたら大間違い! もし未読のガンダムファンがいたら、すぐにでも読むことをオススメしておきたい。

なお、本作の「シャア・セイラ編」をベースにしたアニメ作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』が2015年2月より公開予定となっているので、その予習として読んでおくのもいいだろう。
今年もさらに、『ガンダム』の世界は盛り上がることが間違いなさそうである。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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