『オリジナル版 ゲッターロボ』第1巻
永井豪(作)石川賢(画) 小学館 \1800+税
(2014年10月16日発売)
破滅から逃れるため、地下マグマへと身を隠した古代の支配者たち。長い年月を経てハチュウ人類と呼ばれる生物へと進化した彼らは、今一度地上を支配すべく暗躍を開始する。
ハチュウ人類の侵略行為を食い止めるべく、早乙女博士は自らが作り上げた巨大ロボット「ゲッターロボ」に搭乗可能な3人の若者を集めるのだった……。
『マジンガーZ』と並び立つ存在で、昨今のスーパーロボット像の定番「合体変形」を発明した開祖ともいえる『ゲッターロボ』。そんなロボット史に名を残す不朽の名作が「オリジナル版」として新たに刊行された。
本作は、「週刊少年サンデー」連載時の扉ページや、連載前に掲載された予告編など、単行本化にあたり省略されていたさまざまな要素が収録されており、当時の誌面の雰囲気をあますところなく再現している。
また本編も、過去の単行本では省略されていた、神隼人の学生運動仲間がハチュウ人類に惨殺されるシーンを初収録。ありきたりの復刻再販ではない、ファン感涙の内容となっている。
「ゲッターロボの単行本なら、もう何冊も持っているよ」と豪語するヘビーなファンにこそ、手にとってもらいたい本だ。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。