『ゴールデンカムイ』第1巻
野田サトル 集英社 \514+税
(2015年1月19日発売)
「ヤングジャンプ」にて連載中の、北の大地で繰り広げられるサバイバルを描いた話題のマンガが単行本化。
舞台は明治時代末期の北海道。日露戦争で大活躍したあとに軍を抜け、隠されたアイヌの埋蔵金を追い求めることとなる元兵士の杉元佐一が、父の敵を追うアイヌの少女・アシリパとともに、財宝への手がかりを記した刺青を刻まれた死刑囚や、過酷な自然と対峙していく姿が描かれていく。
現在、各書店で売り切れが続出しているという注目作だ。
本筋の埋蔵金探しもエキサイティングながら、なんといっても熊を初めとする野生動物との対決や、倒した後の料理など、サバイバル要素がこの1巻の大きな見どころだろう。
針金を結んで作る「くくり罠」の使い方に始まり、刃物で叩いてひき肉にするアイヌの料理「チタタプ」の調理方法や、食事に感謝する言葉「ヒンナ」などなど、アイヌの食文化の薀蓄がたっぷりと詰めこまれている。読んだあとは思わずリスやうさぎを捕獲して、脳みそや目玉を味わいたくなることまちがいなし!?
2巻はいったいどんなサバイバル料理が描かれていくのか、期待が高まるばかりだ。
百戦錬磨の杉元とアシリパのサバイバル知識が組み合わさることで、この先どんな戦いが繰り広げられていくのか、埋蔵金探しの行く末からも目が離せない。
本作と同じく、北海道で生きる人々の姿を描いた手塚治虫の作品『シュマリ』とあわせて読めば、過酷な雪国を生き残るすべはすべてマスターできるはず!
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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