『東京流星群』第1巻
あまおゆう 講談社 \590+税
(2015年6月5日発売)
50年前に劇的なリーグ優勝をとげて以来、万年Bクラスの弱小球団「東京流星群(とうきょうミーティアーズ)」。低迷にあえぎ身売りの噂もちらつくさなかに、弱冠22歳の女性社長が就任!?
クールな眼鏡美人・美駒了子(みこま・りょうこ)は「経済界のアイドル」と呼ばれる有名人で、その実力は折り紙つき。
13歳にしてIT業界に乗りこみ、10代で数々の事業を成功させ……なんと若くして50億近くの資産を有するツワモノなのだ。
了子は幼少時の事故により車椅子生活を送っているが、メイド服の秘書を従えてのフットワークは軽い。行動力とリーダーシップを発揮し、さっそうと選手たちの懐に飛びこんでいく姿が痛快だ。
選手一人ひとりの問題点に斬りこんでいく本作は、とりわけ「人間関係」が軸になっている。
チームを愛する球団職員・犬森ゆかりの心情、またこれから語られるであろう了子の過去もドラマを盛りあげていくはず。
何はともあれこれからどんな球団再生マジックが飛び出すか……新社長のお手並み拝見だ!!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」