『野球部のヒロコせんせい』第1巻
ムラタコウジ 小学館 \552+税
(2014年12月26日発売)
まずは表紙であくびをしている、透けブラ女性を見ていただきたい。こちらが桃花高校に新任としてやってきた山本ヒロコ先生(22歳)である。
次に、後方のキモオタ軍団に目を移していただきたい。これがその他大勢の野球部員である。
少なくとも、凄腕の女性監督が弱小高校を率いて甲子園を目指すスポ根マンガ……ではないことが、おわかりいただけただろう。
とにかくズボラなヒロコ先生。そんな彼女もどこかの部活の顧問になることが必須で、しかたなく選んだのが野球部である。
ところがそこは野球部とは名ばかり、部室でゲームをしつつポテチをバリバリという、ヒロコ先生にとってはパラダイスのような空間だったのだ。
本作最大のキモとなるのが“微エロ”。とにかく無防備極まりないヒロコ先生が、あちこちで肌色をチラチラさせ、童貞軍団のリビドーを増幅させる。
ちなみにヒロコ先生は走っても揺れないBカップだが、自称“AVを千本観た男”野村によるアテンド(「おっぱいは小さければ小さいほど、屈んだときに乳首が見えやすい」理論など)もあり、部員たちはヒロコ先生が醸す微エロをおおいに堪能するのである。
作者は彗星のごとく現れた新人・ムラタコウジ。お笑い芸人出身の変わり種で、本格的にマンガを描き始めたのは、ごく最近のことだというから驚きだ。
いったい彼がなぜお笑い芸人からマンガ家に転身したのかは、今後もコミックスの巻末で続いていくであろう「おまけマンガ」にくわしく描かれるはずだ。
お色気満点の巨乳美女が闊歩するマンガ界へのカウンターともとれる、黒髪微乳のユルカワならぬズボカワな地味ヒロイン・ヒロコ先生。
とてつもない微エロポテンシャルを秘めた彼女が、これからどんな(些細な)ハプニングを起こしてくれるのか、野球部員たちと一緒に楽しみに待ちたい!
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
「ドキュメント毎日くん」