日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『プリンスプリンス』

『プリンスプリンス』第1巻
あおと響 一迅社 ￥680+税
（2015年10月17日発売）

プリンスプリンス――桃百合学園に通う、2人の王子様。
ひとりは伊吹カオル。爽やかで親しみやすく、笑顔が魅力的な普通科の王子様。
ひとりは柊詩音。優等生で美貌とクールさにかけては断トツの、特進科の王子様。
この2人をめぐって、学園内では恋のさや当てが今日もにぎやか。
と、ここまでは普通の少女マンガでも見られる展開だ。

ただし。
――じつはカオルも詩音も、正真正銘の女子なのである。

男装のプリンスたちに快楽主義者の生徒会長、加えて食いしん坊の幼なじみに巨乳毒舌の保健委員長、潔癖な風紀委員エトセトラ。
そして工業科の姫君に至ってはツインテの男の娘と、登場キャラが属性萌えのるつぼと化している本作。
「コミック百合姫」の連載作品だから百合ものだとわかっているのだが、それにしても一筋縄ではいかない内容だ。

キラキラした画面のなかで、たくさんのキャラがこれでもかとわちゃわちゃ事件を繰り広げてくれるラブコメディ。
BLに見えるが男装カップルだったり、はたまた男女ノーマルと見えても性別逆転に同性同士だったり。
ええい、もう男でも女でもどっちでもいいだろ！　と、いい意味でフリーダムな気分になってくる。

途中唐突に、美少女ものと見まがうとんでもなくエロいシチュまで飛び出して、ええええ!?　と戸惑いつつも笑って読み終えられること間違いなしの一冊。

この先どこまで暴走し続けてくれるのか、非常に楽しみだ。

＜文・山王さくらこ＞
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系＆スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」