365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
11月9日は119番の日。本日読むべきマンガは……。
『小学館文庫 め組の大吾』第1巻
曽田正人 小学館 ¥600+税
11月9日は119番の日! と言われたら「お、おう……」とリアクションするしかない記念日。
ほかに言うべきことがあるとすれば「1月19日ではない」ということぐらいか。
これは消防庁が1987年に制定したもので、消防の緊急通報用電話番号が「119番」であることからこの日になった。アメリカ・カナダは911、中国は120、イギリスやアラブ諸国は999と世界各国で番号は異なることから、日本国内のみの記念日でもある。 消防全般に対する理解と認識を深め、防災意識の高揚を図ることを目的とした日で、この日から11月15日までの1週間は「秋の全国火災予防運動」が行われる。
1998年の「春の全国火災予防運動」で、初めて告知ポスターなどに使用されるイメージキャラクターとなった作品が『め組の大吾』。以後も消防庁主催の様々な防災キャンペーンポスターで『~大吾』が登場している。
幼い頃火災に巻きこまれ消防士に救われた朝比奈大吾(あさひな・だいご)は、みずからも消防士の採用試験に合格、地元である千国市消防局管内の「めだかヶ浜出張所」に配属される。 火災や事件が起こらず“めったに火事が起きない”、“めでたい”ことから「め組」と呼ばれるめだかヶ浜出張所の面々はいずれもノホホンとした、よく言えばおだやかな、裏を返せば士気の低い人物ばかり。 若く血気さかんな大吾は当初そんな仲間たちを不甲斐なく感じるが、いくつもの大小災害への出場を繰りかえすなかで、太平楽な彼らがじつは消防のプロフェッショナルであることを認識していく。
作品の舞台であるめだかヶ浜が再開発地域で、これまで起こりえなかった災害が発生するという問題については昨日の「きょうのマンガ」のテーマである都市計画の日にも関係がありそう。
猪突猛進でどこまでもまっすぐな大吾の性格は大きな支持を得て、のちにフジテレビ系でドラマ化され(タイトルは『FIRE BOYS ~め組の大吾~』)、主演が今や名優を超えた怪優・山田孝之だったことも特筆すべきだろう。
<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。「『仮面ライダードライブ』フォトブック~Drivin’Album」や『別冊宝島2394 仮面ライダー』もやってます。