365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
11月20日は任天堂の創業日。本日読むべきマンガは……。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』上巻
姫川明 小学館 ¥486+税
1947年11月20日、株式会社丸福。のちの、任天堂株式会社である。
今や日本で、いや世界でも知らない人はいないくらいの有名なゲーム会社だ。
今日はその任天堂設立記念日ということで、代表的ゲーム『ゼルダの伝説』のコミカライズをご紹介したい。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は1998年にNINTENDO64で発売されたソフトで、シリーズ5作目に数えられる。
『ゼルダの伝説』シリーズは、ファンタジー世界を冒険するアクションアドベンチャーで、そのジャンルにおいては、世界最高の売り上げを誇り、ギネスに登録されるほどの人気ゲーム。
そのゲーム世界をコミカライズした本作は、読むほどにゲームの興奮がよみがえる、いきいきとした冒険ものに仕上がっている。
舞台はハイラル王国。その東に広がる、コキリの森。
ここにはコキリ族が住み、彼らはだれもが自分だけの妖精を持っていた。
だが少年リンクだけには妖精がいない。
そのことで半人前とからかわれていたリンクだが、本当の彼は自分自身ですら想像もつかない、不思議な運命を背負った少年だったのだ――。
ゴロン族の住むデスマウンテン、ゾーラ族が治めるゾーラの里……マンガのリンクも、ゲームのとおりに旅を続け、いくつもの試練を乗りこえ成長する。
マンガではゼルダ姫との交流はゲームよりも濃く、コキリのサリアやロンロン牧場のマロンにも好意を示されて、いっそうモテモテでほほえましい。
『時のオカリナ』のポイントは成長した青年リンクと少年リンクを行ききすることにあるが、マンガの青年リンクはときめくほどのかっこよさ! で、ここにもぜひ注目してほしいところ。(馬のエポナに乗っている姿の凜々しいこと!)
ゲームのプレイヤーなら、ページをめくるたびに懐かしくなってしまう本作。
それだけゲームに忠実で、それでいてマンガならではの味わいも深い、完成度の高い作品なのだ。
もちろん未プレイの方もぜひどうぞ。このマンガでゲームの広大な世界を味わってみるのも、一興ですよ。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」