話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『おとむらいさん』
『おとむらいさん』著者の大谷紀子先生から、コメントをいただきました!
『おとむらいさん』第1巻
大谷紀子 講談社 ¥429+税
(2016年2月12日発売)
前作『すくってごらん』は金魚すくいがモチーフだった大谷紀子の次なるモチーフはお葬式!
今日も鈍器のようなもので頭を殴られて、“いい死にっぷり”を監督にほめられるものの、サチ薄系のすぐ死んじゃうチョイ役しかまわってこない売れない女優歴10年の音村(おとむら)いづみ。そんな彼女が、飛びこみで引き受けたのが司会のバイト。
しかし、会場に着いてビックリ、結婚式かと思いきや式は式でもお葬式だった!?
ぶっつけ本番で司会をすることになるいづみに、ケンカ売っとるんかぁああ!!!? なことをシレッと言う「華葬儀」の葬儀プランナーの産神清貴(うぶがみ・きよたか)。そんな彼に「オトムライさん」とあだ名までつけられ、いい気のしない、いづみだったが、人生初体験のご葬儀とそれをプランニングした産神の手腕に引きこまれる。
印象的な泣きボクロは「こいつの新人指導の鬼教官ぶりに新人が流した涙でできている」(by秋川社長)とまで言われる、妙にクールで謎の多い(まだ1巻だからね!)産神との出会いと葬儀にまつわる人々の人間模様にハマってしまい、女優業そっちのけで華葬儀のバイトに明け暮れる日々となったということまでがこの1巻。
っていうか、いづみ、そもそも来週どころか今月も来月も女優の仕事、スケジュール白紙だったしね……。