『絶望の犯島-100人のブリーフ男vs1人の改造ギャル』第3巻
櫻井稔文 双葉社 \620+税
(2014年9月27日発売)
巨大闇組織・亜九東グループの会長の妻と娘に手を出したコーゾーは、会長の逆鱗に触れ、ギャルに性転換手術されたうえ脱出不可能な無人島に置き去りに。
その島には性犯罪歴のあるブリーフ男が100人閉じ込められており、彼らには「ターゲットのギャル(コーゾー)を犯したヤツだけ島から脱出できる」というルールが課されていた!
ぶっとんだ設定の本作。第3巻では、2巻の後半で登場した心優しき化け物・雷音が活躍する。圧倒的腕力を持つ雷音が味方になったことで、逃げの一手だったコーゾーも形勢逆転! と思いきや、コーゾーの父親を人質に取ったブリーフ軍団が投降を迫ってくる。
それぞれ手に丸太や石を持ったブリーフ軍団の見開きは大迫力。著者が実録マンガの取材でつちかった観察眼ゆえか、ひとりひとりが実に味わい深く濃ゆい顔をしており、画面からもうもうと熱気が立ち上ってくるかのよう。
アクは強いがテンポよく、コーゾーと雷音の友情にジンとさせられるシーンもある充実のサバイバル・アクション。本巻も激アツだ。
<文・山脇麻生>
ライター&編集者。「朝日新聞」「SPA!」などにコミック評を寄稿。
Twitter:@yamamao