365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
10月23日は西住みほの誕生日。本日読むべきマンガは……。
『ガールズ&パンツァー リトルアーミー』 第2巻
ガールズ&パンツァー製作委員会(作) 槌居(画) 鈴木貴昭、グラフィニカ(協) KADOKAWA ¥524+税
第二次世界大戦のアフリカ戦線にて、ドイツ軍とイギリス軍が雌雄を決した「第二次エル・アライメン会戦」。
その開始日として一部の人に有名な本日10月23日だが、アニメ『ガールズ&パンツァー』の主人公・西住みほの誕生日でもある。
乙女のたしなみとして人々に親しまれている武道「戦車道」。
その流派のひとつ「西住流」を代々掲げる名家に生まれた者として、みほは姉のまほと同様に戦車道の選手としての将来を期待されていた。
だが、高校1年時の全国大会決勝戦にて起きたとある事故をきっかけに、みほは黒森峰女学園から戦車道のない大洗女子学園へと転校し、戦車道から距離を置くようになる。
そんな彼女は、ひょんなことから大洗女子の生徒たちを率いて再び戦車道へと挑むことになり……。
今回紹介する『ガールズ&パンツァー リトルアーミー』は、そんなみほの小学生時代を描いた作品だ。
10歳のみほは、ある日姉であるまほの戦車道における活躍がニュースになったことをきっかけにクラスメートの中須賀エミ、柚本瞳、遊佐千紘と知り合い、戦車を通して友情を深めていくことに。
放課後に遅くまで戦車に乗っていて怒られたりと、小学生らしい日々を仲間たちと過ごすなかで、みほは勝利至上主義の西住流を遵守する姉や母とは異なり、のちに開花して各校の強豪たちを驚かせた彼女だけの戦車道を芽吹かせていくのだ。
ちなみに、本作『リトルアーミー』自体は全2巻だが、続編の『リトルアーミーII』が全3巻で刊行されている。『Ⅱ』では高校生となっても揺るがぬ幼なじみたちの絆が描かれており、こちらもハートフルタンクストーリーの名に恥じない内容だ。
8月に制作が発表されたばかりの『ガールズ&パンツァー 最終章』を心待ちにしている人のなかで、まだスピンオフ作品に手を出していない方がいるならば、本編との連続性を保ちつつ、読後感のさわやかなオリジナルストーリーを展開している本シリーズを、入門書としてぜひ読んでいただきたい。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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