話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『微熱空間』
『微熱空間』のご担当者さんから、コメントをいただきました!
『微熱空間』第1巻
蒼樹うめ 白泉社 ¥880+税
(2016年4月28日発売)
「蒼樹うめ先生の新刊」というフレーズは、特別の重みを帯びている。
気心の知れた友だちとの楽しい幸せ空間に浸る『ひだまりスケッチ』、鬼才・虚淵玄氏のシナリオと出会い「血だまりスケッチ」の異名をとったアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター原案。いつも胸にしみるキャラクターたちを送りだしてきた作家なのだから。
『微熱空間』は、そんなうめ先生の最新作にしてストーリーマンガ。簡単にお話を説明すると、両親が再婚してひとつ屋根の下で暮らすことになった同い年の亜麻音と直耶が、ドギマギしながら日々を送るという超王道なあらすじ。
普通の恋愛マンガは男女がめぐりあい、少しずつわかりあい、ゴールに「ひとつ屋根の下」がある。でも同居ものは、同じ食卓を囲むことからスタート。順番があべこべだ!
鉄板のおもしろさが保証された「同居もの」を最強にブーストする要素が「姉弟」だ。「姉弟」といえば年の離れた姉と幼い弟でオネショタか、成熟した姉と青い弟との禁断の恋。亜麻音と直耶もそんな妄想をたくましくしていた。しかし2人は同い年で、亜麻音が「姉」とはいえたった3日違い。
思っていたのと違うー!
初めての共同作業は、まず互いの呼び方を決めること。直耶に「お姉ちゃん」と呼ばせておいて、自分が下の名前の「直耶」で言おうとすると照れまくる亜麻音。なんとか慣れようと「なおくん」と部屋で練習してるのが、隣りあった壁越しに聞こえてくる……この「姉」かわいすぎる!