『M・ゲーム』第2巻
クリスタルな洋介 少年画報社 \590+税
(2014年8月16日発売)
女の子はむちむちしててナンボ! 誰よりもむちむちを愛し、尊び、感謝する少年の戦いが今ここに!
かつて、女性の美はふくよかさにあるとされていた。古代の土偶の姿しかり、むちむちは人々をやさしく包みこむ癒しであり、また最高の官能であると……。
そこで、女子のスリム願望が強い現代を憂い「この僕がすべてのむちむちを守る!」のキメゼリフとともに登場するのが、神話の時代から続くむちむちの守護者“第150代タケハヤ スサノオノミコト”である!
見た目はなかなかの美少年・タケハヤが、太めの身体にコンプレックスを感じる女子のもとに現れ、その呪縛を解くために行うのが“M・ゲーム”なる儀式。かいつまんで説明すると、女性の太ももの向こう側に果物を置き、タケハヤが太ももの間に右腕を突っこんで果物を取ろうとするのを、太ももを締めつけて防御できるか……というだけのゲームなのだが。
タケハヤの右腕には、ヌルヌル神器“草薙の剣”が宿っており……このヌルヌル&果物スポーンを経験した女子は憑きものが落ちたように痩せ願望がなくなってしまうのだ! これがタケハヤの世直しというわけ。
むちむちの太ももに悩む女子高生・内子(うちこ)も、このM・ゲームに陥落。タケハヤの従者となり、しかも自宅をM機関の支部にされてしまう。
最新2巻では、このM機関に対する最大の敵“S機関”の存在があきらかに。
S機関とは、世界中の人々をスリムにしょうと目論む組織。痩せたい乙女ゴコロがなかなか捨てきれない内子だが、「S機関が世界を支配したらこの世から砂糖がなくなる」と知って、やっぱりM機関の味方をせざるをえない!?
ものすごく馬鹿馬鹿しいようで、読んでいるうちにM・ゲームが行われると「キタキタ、待ってました~っ!」という気分になってしまうのがなんとも不思議。
S機関とのバトルに巻きこまれ、いろんな恥ずかしい目にあって赤面してしまう内子の表情にきゅ~ん! しかしこのマンガ、よくよく考えてみると極端な露出シーンはないのにエロさを感じさせるってすごいかも……ああ、これこそがむちむちの力なんですね。納得!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」