『伯爵様は愛撫する』
天音佑湖 小学館 ¥454+税
(2014年8月8日発売)
19世紀、英国・ロンドン、夜な夜な貴族が集まるきらびやかな夜会。
年頃になった娘たちは、美しく着飾って社交界にデビューし、素敵な結婚相手と出会っていく……
しかし、若く美しい主人公・ダイアナの社交界デビューは惨憺たるもの。
妻のある男に無理矢理唇を奪われたあげく、現場を妻に見られ、以来、人の男を誘惑するアバズレという悪評がついてまわることに。
もう幸せな結婚など望めない。いっそのこと愛人になろうかしら。
夜会に出てもうわべのかけひきばかりで辟易する彼女の前に、ある日、幼なじみで親友のレオナルドが戦場から帰還。そして彼女の人生は一変!
現れたのは、彼女が知るぽっちゃりとしたレオではなく、5年の軍隊生活を経て顔も体も引き締まり、爵位をも得た超絶ハンサムなヒースコート伯爵様。人々の注目を集める彼は、突然ダイアナにプロポーズし、ダイアナの頭の中は大混乱! 思わず逃げ出してしまうが……
アバズレの風評とは裏腹に純情きわまりないダイアナを、逃げても捕まえ、困惑しても抱擁し、辛抱強く口説き落としていく美貌のレオナルドに萌え必至。
作者の趣味全開(本人談)のロマンチックな世界観の中、「こんなキスしたら子供ができちゃう」とかわいらしすぎるレディ・ダイアナが、レオナルドの彫刻のような体に抱かれるまでの甘いあま〜いストーリー、たっぷりとお楽しみを!
なお、同時収録「伯爵様は焦がれる」はダイアナのツンデレ兄の物語。
戦場から傷を負って帰還したアーサーは、彼を死の淵から救った天使を気にかけているが、その女性とは……
いっそうオトナのエロかわ度が高いストーリーで、個人的にはこちらの方が好きです。ラブシーンも多いし♥
そしてもうひとつ、両話に共通する策士・母君の暗躍(?)もじつに微笑ましく、好感度大です。
<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。