365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月30日はアメリカ合衆国がアラスカを購入した日。本日読むべきマンガは……。
『アラスカ・ワンダホー!』
世鳥アスカ イースト・プレス ¥1,000+税
本日3月30日は、アメリカがアラスカをロシアから購入する条約が調印された日だ。
不凍港を得るために始めたクリミア戦争により、経済的に大打撃を受けたロシアは、アラスカを手放しアメリカへと売却することを選択した。
売却価格は720万ドルで、4047平方メートルあたり2セントという破格の値段。当初、アラスカは年中氷づけの使いみちのない土地と考えられており、この取引はアメリカ国民の大きな反感を買った。しかし、のちにアラスカで金鉱の発見がされたことや、冷戦中に東アジアとアメリカを結ぶ空路の中継地として貢献したことを考えれば、非常に得な取引だったといえるだろう。
そのような歴史を経て、1959年に正式にアメリカの州へ仲間入りを果たしたアラスカだが、そこに住む人々はどのような生活を営んでいるのだろうか。
今回は、そんなアラスカでの日常が綴られるエッセイマンガ『アラスカ・ワンダホー!』を紹介したい。
著者・世鳥アスカのアラスカ生活は、高2の夏に父の転勤が決定したことから幕を開ける。
氷の家や犬ぞり、オーロラなど、ざっくりとした雪国のイメージをアラスカに抱きながら生活を始めた彼女にとって、アラスカはカルチャーショックだらけ!
野生のムース(へら鹿)が歩きまわっている町中の様子や、学校の授業で犬ぞりレースの記録を取る課題が出題されるといったアラスカならではの出来事や、プロムやハロウィンなど、アメリカならではのイベントたち……そんな2種類の異文化と著者の交流が、本作ではユーモアたっぷりに紹介されていく。
それら異文化と同様に魅力的な、極寒の土地に住む温かい人々も必見だ。彼らのアラスカ生活を眺めているうちに、いつしか自分もアラスカへの好奇心を刺激されてしまうはず!
極寒の地に、大自然とアメリカ文化が共存しているアラスカは、一生に一度は行ってみたい土地だ。
興味が湧いた方は、日本からの直行便を使って、旅に出てはいかがだろうか。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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