日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『魔喰のリース』第1巻
『魔喰のリース』 第1巻
小田原 愛 集英社 ¥400+税
(2017年3月3日発売)
事件をプロファイリングする時は、事前行動や準備の推理、犯罪内容の調査、証拠収集などが重要になってくる。
ただでも骨の折れるこの作業、「魔法」が介在してくるとなると、凶器や指紋などがいっさい残らないため、調べようがなくなる。
その厄介なトリックを、魔法を食べて味わうことで分析できる能力の持ち主・リースが解決していく、ファンタジーミステリー。
調べる手がかりは、人間や現場、遺品や死体に残された魔力の「味」だ。
リースの能力はかなりチート気味。
人間の持つ魔力を吸収して食べることができる。ひとりずつ味が違うので、痕跡を調べればアリバイを簡単に暴くことができる。指紋のようなものだ。
相手が攻撃してきた場合、それが魔法によるものであればすべて喰って無効化できる。
食べた魔法は吐き出して、相手に返すことができる。
魔術能力者なら、まず負けない。
だが本人が魔法を使えるわけではないから、生身の武力には全然かなわない。
また魔力を常に摂取していないと死んでしまう。
無敵なわけではない。
彼が対面するのは、顔をはいでいく連続殺人鬼や、黒魔術の魔法陣の上に死体をぶら下げる猟奇犯罪。
いずれも証拠が見つかりづらいだけに、リースの能力が解決のカギになってくる。
魔法の使い方次第では、彼の捜査能力で100%解決できるわけではない。
そこをどうクリアしていくのか。かなりトリッキーな推理作品なので、犯罪のバリエーションにも期待したいところ。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」