日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『まいっちゃうわマチコさん!』
『まいっちゃうわマチコさん!』
真城ひな 集英社 ¥700+税
(2017年2月24日発売)
真っ昼間のオフィスで「バイブ」と聞いて連想するのはスマホじゃなくて大人のオモチャのほう、「ゴム」と聞けばもちろんコンドーム、土産物屋でこけしを渡されたら「ぼくのこけしを抱いてくれ」というサインかと深読みを……
そんな主人公・マチコさんに「ゲスすぎない!?」と笑いつつも、これってじつはオトナ女子あるあるだったりして。
黒髪ボブヘア、ちょっと眠たげな眼差しのマチコさんは31歳のOL。
何を見ても何を聞いてもソッコーでエロいことを思い浮かべちゃう彼女の脳内は、いつでも“やる気まんまん”。
予定はなくともセクシーな下着を装着したり、ヨガでどんな高難度の体位でもこなせる体づくりをしたり、いつでも来いの臨戦態勢。
なのに、もう5年ばかりご無沙汰とは……。
それでも「モテない」と凹むどころか、まわりの男性連中が牽制しあうあまりに自分に手を出さないと分析、不敵な笑みを浮かべるマチコさんは見上げた女だ。
基本ギャグマンガなのだが、マチコさんの悠々とした態度はなんだかカッコいい!
後輩ちゃんに恋愛相談されるたび、真顔で恋愛論、セックス論をぶつシーンには金言がいっぱい!?
お呼びがかからなくても焦らず自分磨きは怠らない、小娘じゃないんだからモジモジしない。自虐とは無縁、超然たるドスケベヒロインが痛快極まりない作品。
ちなみにこのタイトルからは、かの有名な『まいっちんぐマチコ先生』を思い出さずにいられないが――生徒たちにボインタッチされまくるマチコ先生と共通するのは「動じなさ」?
本作のマチコさんがもし小学校の先生だったら、なんて番外編も読んでみたかったりして。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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