日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ひとり暮らしのOLを描きました』
『ひとり暮らしのOLを描きました』 第4巻
黒川依 徳間書店 ¥920+税
(2017年2月20日発売)
扉絵に相当する1枚絵とセリフのないたった1ページのマンガで、OLのワンルーム暮らしを描いた、人気の“ひとり暮らしあるある”ショート。
入社まもない黒髪のOLちゃんはどう見ても彼氏ナシ、友だちも少なさそう。
平日は仕事に疲れ果ててグッタリ、土日はたまった家事にいそしんだり、あるいは有意義に過ごそうとするけど寝過ごしてしまって呆然としたり。
かわいそカワイイ、わびさび感がたまらない!
9割がた、お部屋のなかの暮らししか描かれていない本作。
盛大に散らかってる日もあればきちんとかたづいてる日もありで、そのあたりもリアル。コンビニ袋、放置されたお菓子のゴミなどの描きこみからも生活ぶりが浮かび上がり、想像をかきたてられる。
本巻の私的ベスト3は「買ったばかりの本をかたわらに置いて寝るひとり暮らしのOL」、「飛んできた七夕の笹を片付けるひとり暮らしのOL」、「2年くらい先のことを考えているひとり暮らしのOL」。
いわばタンスに足の小指を打ちつけてしまった時の気持ちのやり場のなさ、みたいなものを描いている作品なのだが……やるせなさだけじゃない、ちょっとした幸せを感じてニコッと笑うOLちゃんにホッとする場面も。
OLちゃんの未来に幸あれ!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」