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『食糧人類-Starving Anonymous-』 第2巻 水谷健吾(案)、蔵石ユウ(作)、イナベカズ(画) 【日刊マンガガイド】

2017/04/21


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『食糧人類-Starving Anonymous-』

  
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『食糧人類-Starving Anonymous-』 第2巻
水谷健吾(案) 蔵石ユウ(作) イナベカズ(画) 講談社 ¥602+税
(2017年3月17日発売)


水谷健吾さんの原案をもとに、『アポカリプスの砦』で現代ホラーを描いたイナベカズさん×蔵石ユウさんのコンビによる本作。
センセーショナルなタイトルもさることながら、人類が食糧にされてしまうという内容が読者に衝撃を与えた。

そんな新作ホラーの第2巻では、主人公である高校生・伊江をはじめ、ナツネ、山引、カズの4人組が閉じこめられてしまった施設から脱出しようとあがく様子が描かれる。
そこに立ちふさがるのは、人間の何倍もの大きさの体躯を持つカマキリのような化け物。
いやらしい目つきで人間を見定め、捕食するさまは非常に不気味でグロテスクだ。

そんな怪物に見つかりそうになった瞬間、まさに絶体絶命の場面で彼らを助け出してくれるのが、謎の男・小倉。
ルポライターだった彼は施設の秘密を解明するために乗りこんだものの、人類が怪物に捕食されていく現実を目の当たりにして逃げ出すことを決意したという。
しかし、出口は見つからず、気がつけば果てしない時間を隠れ住むことに費やしてしまった。
伊江たちにとって、小倉は近い将来の“自分たちの姿”であり、脱出に失敗したなれのはてだ。
こんなところに隠れ住んでいたって、未来はない。
危険だろうがとにかく出口を見つけなければならない。

そこで動き出すのがナツネ。
怪物から身を隠すのではなく、対峙し、始末しようとするのだ。
しかし、圧倒的な力を持つ怪物の前で、人類は無力。
あっけなく身体を貫かれてしまったナツネは、血の海に沈むのだが……。

第2巻では、国家の陰謀が次々と明らかにされる。
そこにはナツネが背負い続けてきたある秘密も関連しており、どうやらそれが物語のカギとなりそうな予感。
無力さに打ちひしがれる人類の反撃が、徐々に始まりそうである。



<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。

単行本情報

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