日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル コミックトリビュート』
『攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル コミックトリビュート』
士郎正宗(作) 平本アキラ/衣谷遊/Boichi/井上智徳/山本マサユキ
今井ユウ/小池ノクト/多田乃伸明/大山タクミ/トニーたけざき(画)
講談社 ¥926+税
(2017年3月28日発売)
2017年4月7日に公開のハリウッド実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』。
これに合わせて刊行されたコミックアンソロジーが、衣谷遊、Boichi、井上智徳、山本マサユキ、今井ユウ、多田乃伸明、小池ノクト、大山タクミ、トニーたけざき、平本アキラによる『攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル コミックトリビュート』だ。
日本を代表するSF作品『攻殻機動隊』……だが、このタイトルに抱くイメージは人それぞれなはず。
押井守による映画版『GHOST IN THE SHELL』『イノセンス』の精緻な映像美、神山健治のテレビアニメ版『S.A.C』『S.A.C. 2nd GIG』の現代性、あるいは士郎正宗によるマンガの膨大なウンチクと遊び心、そしてエロスこそ、真の『攻殻機動隊』だという人も少なくないはず。
そんな『攻殻機動隊』という作品の持つ多様性を見事にカバーしたのが本アンソロジーだ。映画っぽい“攻殻”、アニメっぽい“攻殻”、そしてもちろんマンガっぽい“攻殻”も揃っている。
なお、本作と同じく、円城塔、三雲岳斗、朝霧カフカ、秋田禎信、冲方丁が参加した『攻殻機動隊 小説アンソロジー』も刊行されている。
ぜひ、両方いっしょにお買い求めを。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas