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『ORIGIN』 第1巻 Boichi 【日刊マンガガイド】

2017/02/13


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ORIGIN』


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『ORIJIN』 第1巻
Boichi 講談社 ¥620+税
(2017年1月6日発売)


日本と大陸をつなぐ「ユーラシア鉄道」が開通し、犯罪やテロが激化した2048年の東京。
犯罪組織のなかでは「とても人間業でない殺害方法の死体」が話題となっていた。
それは、人間のなかにまぎれこんだロボットのしわざだった……。
細密な描写と骨太なSFストーリーで読者を魅了する漫画家、Boichiの新作を待っていましたよ!

主人公「僕」は「父さん」が作ったロボットのプロトタイプ=「オリジン」だ。
彼は父さんが残した遺言を忠実に守る、それは「生きる」ということだった。
人類のなかで生きるには、目立たずロボットであることを隠し、かつ部品の補給等も維持しなくてはならない。そこで、パーツなどをこっそり入手できそうな巨大企業「AEE」へ入社し、人としての営みを維持しつつ、人を殺害して、目立つほかのロボットを破壊した。
彼にとってそのロボットは兄弟であったのだが……。そこ誤算が生じる。
彼はロボット特有のロジックな思考から、兄弟が報復を考えるとは思っていなかった。
しかし、それこそロジックな思考ゆえの誤り。
残されたロボットは仲間を破壊したロボットへの復讐を誓い、敵対ロボット狩りを始めるのだ。

人間離れしたロボットVSロボットのアクションは、細かな描写とスピード感が両立し、コンマ何秒を捉えた迫力で展開する。
また、ロボットゆえか? 人とのコミュニケーションが少々天然ボケな主人公。
そこにもまた、経験値の少ないロボットだったら……という、SF考察にもとづくバックグラウンドが見えてくる。
まさに隙のないSFアクションに仕上がっている本作。
「どっしりとした読みごたえでおなかいっぱいになりたい!」と、渇望する人にぜひオススメしたい!



<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。

単行本情報

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