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5月5日は「わかめの日」 『サザエさん よりぬきワカメちゃん』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/05/05


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

5月5日はわかめの日。本日読むべきマンガは……。


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『サザエさん よりぬきワカメちゃん』
長谷川町子 朝日新聞出版 ¥1,000+税


5月5日は「こどもの日」、そして「わかめの日」でもある。
この2つの記念日には、じつはつながりがある。
「わかめの日」は、日本わかめ協会が1983(昭和58)年に制定したものだが、「子どもの成長と発育に欠かせないミネラル、カルシウム等を含んだわかめをたくさん食べてもらいたい」という主旨から、「こどもの日」と同じ日を選んだのである。
また、この時期は新わかめの市場に出まわる時期にもあたっている。

さて、ここで紹介するのはだれもが知っている『サザエさん』の原作4コマからワカメがメインを張る作品のセレクションだ。


アニメ版の「サザエさん」でのワカメはわりと優等生的な印象だが(カツオのダメアニキぶりを強める意図からなのだろう)、原作版では子どもらしい、いたずらな表情が浮かび上がってくる。
フネやサザエの仕事を手伝いたがる、女の子らしい女の子。しかし一方でなかなかチャッカリしていたり、思うようにいかないとワンワン泣いてしまうことも。また、人なつっこい性格で、家にやってくるお客さんの相手をするのが好きだ。
ご近所の家にあがりこんだり、見知らぬ人ともすぐうち解け……いささか大人の話に首を突っこみすぎるおませな一面もほほえましい。

そう、磯野家の子ども3名のなかで唯一の女の子であるワカメは、一家の“お姫さま”なのだ。
ワカメと父(波平)、ワカメと母(フネ)……というようにワカメを軸とした風景を集めることでほかのキャラクターの“らしさ”も読みとれるのが楽しい。

このシリーズでは現在『カツオくん』『マスオさん』『波平さん』の選集も刊行されている。
3世代がひとつのちゃぶ台を囲み、休日には一家揃って行楽を楽しむ。今ではすっかり珍しくなってしまった――平凡にして理想の家族・磯野家は永遠だ。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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