365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。
5月27日は百人一首の日。本日読むべきマンガは……。
『超訳百人一首 うた恋い。』 第1巻
杉田圭 KADOKAWA ¥950+税
本日5月27日は、「百人一首の日」。今から782年前の今日、藤原定家が百人一首を撰した日であることに由来する。
という訳で、『超訳百人一首 うた恋い。』を読みたい。
百人一首のなかから、恋を詠んだ和歌をいくつかセレクトしたうえで、その和歌がつくられた背景をマンガで紹介し、超訳も載せている。
“超訳”と銘打つだけあって、1つひとつの歌の訳があまりにも現代風すぎて目をむく。
けどまぁ、超訳ってそういうことだしね。これから百人一首を始めたい人には、読みやすくていいのかもしれない。
マンガには、和歌を詠みかわすことでつながろうとした平安貴族の姿が描かれる。
心を打つ和歌の背景には必ずしも幸せな恋があるとはかぎらず、むしろ道ならぬ恋、叶えられなかった恋のほうが多い。
幸せよりも不幸せに背中を押されて名作をつくっちゃうあたり、人間の本質は時代を超えてつながっているんだなと思ってしまう。
受け取り手としても、不幸が背景にあるほうが、なんとなく耳に心地よい気がする。
これもたぶん、時代を超えて変わらない人間の心理なんじゃないだろうか。
<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。