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『青のフラッグ』 第1巻 KAITO 【日刊マンガガイド】

2017/05/19


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『青のフラッグ』



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『青のフラッグ』 第1巻
KAITO 集英社 ¥514+税
(2017年4月4日発売)


ぱっとしない地味な少年、一ノ瀬太一(いちのせ・たいち)。彼は運動神経抜群で背が高くて人当たりがよくてイケメンなリア充・オブ・リア充の三田桃真(みた・とうま)と仲がよかった。あまりの接点のなさに、まわりは首をかしげるばかり。
クラスにいるどんくさくて内気な少女・空勢二葉(くぜ・ふたば)は、桃真に恋をしていた。太一は彼女に相談を受けて、2人が恋人になれるよう協力することになった。

どうにもうまくいかない、青春恋愛マンガ。
この作品を見る際にヒントが2つある。

ひとつはスクールカーストのバランス。
桃真はクラスのなかの人気者。太一は斜に構えてこそこそ過ごす隅っこ組。二葉は友だちはいるがおとなしすぎて人の輪には加われない。
普通に過ごしていたら、3人はまず接点がない。
二葉が恋愛に向けて積極的に動き始めた時、それらの壁は一気に取り払われる。一歩も二歩も前に出ようとする二葉が、一番タフに見える。

2つめは恋愛の壁の有無。
後半、二葉の友人で保護者的な伊達真澄(いたち・ますみ)が登場。
さらに、桃真は兄夫婦と暮らしており、その奥さんは元家庭教師だ。
お互いの勘違いと、秘めた片思いが、どうにもならないくらいぐちゃぐちゃに錯綜。
三角関係とか四角関係とかレベルじゃない厄介な状態になる。
「この人はこの人を好きになるのが、雰囲気的に当たり前だろう」というお約束をぶっ壊して、人間関係はどんどんこじれていく。

第1巻は各々の恋の対象がほのめかされる部分まで。
そして連載を見るかぎり、第2巻以降、事態のややこしさはより深刻になっていくだろう……。
全員が納得できる道なんてあるんだろうか。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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