日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ゴスロリJK無人島漂流記』
『ゴスロリJK無人島漂流記』 第1巻
青田めい 芳文社 ¥819+税
(2017年4月27日発売)
「ご趣味は?」
「あ…ゴスロリを少々…」
ゴスロリ。ゴシック・アンド・ロリータ。
黒くてレースとかフリルとかリボンとかのいっぱいついた、あのファッション。
「いっしょに遭難したくない」タイプランキングなんてものがあったなら必ず上位にきそうな、“サバイバル”なんて言葉とは、もっとも遠く離れた存在である。
本作『ゴスロリJK無人島漂流記』は、タイトルどおり、そんな無人島でゴスロリJK・姫野と漂流生活を送ることになった、“普通のガリ勉”女子高生・ちえを描いたマンガ。
無人島でまで“ゴシックな世界観”を追求しようとするマイペースな姫野と、しっかりもののちえというコンビ……と思いきやちえは意外とポンコツで、頼りになるのは姫野のほうだったり……案外、いいコンビかも知れない。
なぜか2人に続いてメイドさんまで流れついてくるなど、本格的なサバイバルマンガというよりは、ハプニングまじりのちょっと変わった夏休み、といった感じだが、これはこれでよし。
絶海の孤島とゴスロリという異色の組みあわせを愛でてほしい。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas