日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『花びらの島』
『花びらの島』
下田将也 講談社 ¥750+税
(2015年12月9日発売)
無人島に流れ着いた少年少女4人+αの漂流生活もの。
メンバーのなかにサバイバルの達人少女がいたり、たどり着いた島は、山の幸海の幸が豊富だったりしたおかげで、そこまでシビアに困ることはなく、雰囲気としては臨海学校と漂流もののちょうど中間ぐらいといったところ。
みんなで毎日釣りをしたり、お風呂をつくったり、家を建てたり、クジラを見たり、洞窟探検したり、ラブコメなんて毎日がテンポよく描かれる。
時間制限ナシのキャンプ生活のような、ほのぼのとした毎日が楽しめるマンガ。忙しい日々の生活を忘れ、島の穏やかな時間にひたっていただければと思います。
もちろんそんな日々にもやがて終わりがやってきて、そして、それがまたせつないのですが……。
ああ、できることなら自分も、人間社会のわずらわしさから離れ、万能サバイバル技術を持った天然娘と、1年ぐらい無人島で暮らしたい……。
そんなふうに思わせてくれるマンガでした。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas