日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ねむり猫はくちづけで目覚めない』
『ねむり猫はくちづけで目覚めない』
央川みはら フロンティアワークス ¥648+税
(2017年5月22日発売)
長身眼鏡短髪きまじめくん×天然マイペースちょっとおバカなかわいこちゃん。
おそらくこれは、かなり広範囲の萌えをカバーするカプ(無論自分もハマったクチ)。
しかも絵柄はリリカルで繊細。
さらにいおう。攻めくんは野球青年、捕手である。すばらしい!
野球部所属、山田暁(あきら)。
1年前のとある朝、ほんの短い時間に出会った人が忘れられずにいる純情青年。
そんな暁に、同級生の新見あさがいきなり寝ぼけてキスをしたからさあたいへん。
さらに問題児のあさが野球部に放りこまれ、暁はその世話をする羽目に。
好き勝手マイペースなあさに振り回され続ける暁。
やがて暁は、あさが幼なじみの景浦とカラダの関係があると知ってしまい——。
不器用でいい人な暁と“無自覚ビッチ猫”なあさ。
しかし不器用なりに誠実な反応をする暁は、思ったより猫を馴らすのに向いているようだ。
2人が徐々に近づいていく途中には、あちこちにキュンとする場面が散りばめられている。
特に、暁に手首を掴まれて泣きそうなあさの表情は絶品なので注目されたし。
またこの作品は、ネーミングに1日の時間帯を使っているのも特徴。
暁、あさ、宵、夕。
そのせいもあるのか、背景に印象的な空が多いように感じる。
そして不思議なことに、モノクロであるにもかかわらず、朝には朝の、夕方には夕方の色が見える気がするのだ。
そんな画面の妙もぜひ堪能していただきたい。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」