日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『干支天使チアラット』
『干支天使チアラット』 第2巻
中川ホメオパシー リイド社 ¥630+税
(2017年4月28日発売)
今回も反省の色なし!
脳を溶かす劇薬ギャグマンガコンビ・中川ホメオパシーが“一見マトモな美少女バトルもの”に偽装して描く『干支天使チアラット』の第2巻が発売された。
連載開始当初からコアなマンガファンに「かわいいけど最低」「かわいいけどいつか怒られる」「かわいいけど著者も編集者も薬をキメながらつくっている」などと絶賛された“悪い某美少女戦士”っぷりはこの巻でも健在。
ありとあらゆる所に配置されるパロディネタ・顔芸・井上陽水などの“偉い人に怒られろ”要素も前巻以上にパワーアップしている非常にエキサイティングな1冊になっている。
……っていうか「ありとあらゆる所に配置される井上陽水」ってなんだよ自分でも書いてて意味わかんねえよ。
作中ではついにレギュラーメンバーともいえるメインの5人が揃い、縦横無尽に動き出した。
このままいよいよ「新世紀のセー○ー○ーン襲名か!?」的な展開が期待されたのだが、メインキャラの属性が卑劣・メンヘラ・ショタ・エピキュリアン・バカのベーシストと、マトモな物語が展開される気配はいっさい見受けられず……。
が、そんな個性豊かなキャラたちがたまに口にする正論や名言が妙に胸を打ち、妙に心を打つのも事実。
もしかしてこの人たちは本当は薬をキメてマンガを描いていないのかもしれない。
この夏にはクラウドファンディングでの実写化も決定し、波に乗るこの作品。
連載のほうでは6人目も登場し、さらなる混乱が約束されているだろう。
著者である中川ホメオパシーも、アマ時代から描き続けていた名作『なかよし番外地』がBL誌でスタートするなど、“時代が追いつく”という言葉は今の彼らのためにある言葉かもしれない。
<文・劇画狼>
まあ僕のことは置いといて、とにかくみなさん梶本レイカ先生の『悪魔を憐れむ歌』を読んでくださいよ。
@gekigavvolf
劇画狼のエクストリームマンガ学園