日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』
『理系が恋に落ちたので証明してみた。』 第2巻
山本アリフレッド ほるぷ出版 ¥570+税
(2017年6月12日発売)
舞台はとある大学の理工学研究室。
大学院1年の氷室菖蒲が、同学年の雪村心夜に「……私 貴方のこと好きみたい」と告白して……!?
恋愛経験ゼロの雪村が「『好き』の定義は何だ?」とかえせば、氷室も負けずに応戦。
白熱の議論となるも決着つかず、その日から2人の共同研究テーマは“恋の定義を検証し、お互いの好意を数値化・判定すること”に!
研究室の仲間たちも巻きこまれ、壁ドンで心拍の推移を測定する等々、珍奇な実験に取り組む日々。
はたから見ればフツーにお似合いというか、フツーに両想いに見える2人なのに……。
業を煮やした後輩・奏が、理屈っぽすぎる2人に提案したのは「デート(での実験)」。
第2巻では、2人が理系脳をフル駆動したデートに挑む。
もちろんしょっぱなはデートの定義の検証、そしてすべての要素を満たし効率よくまわれるデート計画の構築だ!
恋しているはずなのに研究者魂が前面に出てきてしまうクール系美人の氷室、同じくクールにふるまうも恋愛経験のなさを指摘されるとちょっと動揺するのがかわいい雪村。
2人の恋愛研究にかり出される奏、ゲーム狂でマイペースだが天才肌の棘田先輩、チャラ男気取りだが2次元オタクの虎輔……と個性豊かな面々を束ねる研究室の教授も当然くせ者。
理屈っぽ〜い2人が、よけいに話をややこしくする理屈っぽ〜い人々に囲まれて、いかにゴールにこぎつけるのか見物である!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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