日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『武装錬金』
『集英社文庫 武装錬金』 第1巻
和月伸宏 集英社 ¥780+税
(2017年6月16日発売)
人知を超えた怪物・ホムンクルスに襲われ、命を落とした高校生・武藤カズキ。
彼は錬金術技術の結晶である核鉄(かくがね)によって復活すると、「武装錬金」の力に目覚め、激しい戦いに巻きこまれていくのだった……。
ともすれば古めかしく取られがちな「錬金術」という概念を大胆にアレンジし、現代的なSFアクション作品として成立させた『武装錬金』。
和月伸宏の傑作のひとつとしても知られる本作が、このたびついに文庫化された。
本作のために用意された描き下ろしカバーイラストもうれしいが、一番の見どころをあげるとすれば、やはり新作番外編である「武装錬金アフターアフター」の存在だろう。
最終回以降のカズキたちの活躍を描いた本作は毎巻12ページの連作。
連載終了から、じつに十数年ぶりという期間を経ながらも、当時と変わらない読書感を与えてくれるのは、まさにファン冥利に尽きるのひと言である。
和月伸宏作品といえば、もうひとつの代表作『るろうに剣心』の続編「北海道編」が夏頃に「ジャンプSQ.」で連載開始するとも発表されており、まだまだ話題にはことかかなそうだ。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。