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『異常者の愛』 第1巻 千田大輔 【日刊マンガガイド】

2017/08/09


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『異常者の愛』



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『異常者の愛』 第1巻
千田大輔 講談社 ¥429+税
(2017年7月7日発売)

ヤンデレ(病的なまでに恋をしてしまうキャラクターのこと)好きなら見逃せない、強烈なヒロインの誕生だ。

一之瀬一弥(いちのせ・かずみ)が5年生の時。仲のよかった少女・二美香(ふみか)が殺された。

殺したのは、一弥に告白してきた、三堂三姫(みどう・さき)。
二美香がいなかったら、付きあってくれると思いこんでいたからだ。

それから6年後。一弥は同学年の四谷四乃(よつや・しの)と仲よくなっていた。
四乃と出かける約束をしていた一弥のもとに、保護処分になったはずの三姫から、電話がかかってくる。

6年前の亡霊が戻ってきたかのような描写が本当に怖い。
12歳以下の殺人事件の場合、児童自立支援施設に入れられるらしい。三姫はそれにあたった。
一弥にしてみれば、逮捕されたはずなのだから「ここにいるハズない」と思うのも当然。
しかし三姫は、法的に堂々と施設から出ることができているのだ。

三姫は単に一弥をストーキングする訳ではない。行動はかなりサイコパスで、計画的。
このマンガの目玉の1つなのでネタバレは伏せるが、今までのヤンデレキャラクターたちでもしなかった行動を、平然とやらかしている。
一弥本人にではなく、周辺の人間に暴力をふって気を引こうとするもんだから、本当に厄介。

常軌を逸した、モンスターな三姫の恐怖を楽しむ作品。
ただ、読み進めると三姫が妙にかわいく見えるシーンが端々にあるから困る。
いっさい揺るがぬ愛を無尽蔵に主人公に注ぎ、吊り橋効果的にドキドキさせてくる。
ある意味、究極の純愛ヒロインだ。


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<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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